14.自己暗示 ページ15
何で自分がこんなことを……。そう思ったのは今日でもう何度目だっただろうか。
健康的な見た目のくせして何かと体調を崩しやすい幼馴染の見舞いに来ることになった自分。元々、顔を出そうとは思っていたが部屋まで行くつもりはなく、玄関までにしようとしていたのに……
否を言わせず、いつだったか見たあの背筋が凍るような笑みで頼んできた水っちと、何故か唇を尖らせながらいかにも不服そうなのに頼んできた紫原っち
心配なら、二人も来ればいいと言ったのに二人して、
「だって私が行くと
「だって、Aちんの邪魔したくないもん」
などなど、本当に心配してるんすよねっと聞くくらいの言い草にもう訳がわからなくなる。特に紫原っち
なんすか、邪魔って。むしろ、俺が行くと邪魔者扱いされるんすけど……
なんて不満に思いながら、Aママに挨拶して家にあがる。ここでも、わんちゃんAママが玄関まででいいのよとか言ってくれないかなとか思ったけど、幼い頃からの付き合いなのでそこら辺の遠慮は初めからない
むしろ、最近来てないからなどと歓迎された。まあ、確かにAと小さい頃ほど口をきかなく……いや、むしろ全く話さなくなったので互いの家に行くことも減った
お茶を出すと言ってくれたAママに仕事だからとやんわり断って、Aの部屋にいく
ドアの前まで来て、何故か自分が緊張していることに気づく。いやいやいや、なんで?
相手はA。女の欠片もない、背え高ノッポのごぼうだ
なんて、本人に言ったら顔の原型がなくなりそうなほど殴られることを心の中で暗示しながら、ノックする
まあ、一応幼馴染と言えどもう中学生っすからね。万が一着替え中だったらやばいからなど考えている時点で、いろいろ自己暗示は失敗しているような気がしたが……
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時