13.たったの一文で ページ14
それ以来、何かと水っち、水っちと彼女を見かければ忠犬のように走っていく。バスケ部に入るとか言った日には、同じクラスにもなったのにも関わらず、まだ足りないのかと引いたが意外と理由がしっかりしていて安心した
てか、男バスで男をたらしこんでいるとか馬鹿にしたくせに彼女が所属している部活を忘れているのだから、なんて都合のいい頭なんだと呆れたものだ
そして私は……
ふといきなり浮上した意識。目を開ければ、まだ夕方らしくカーテンをしているのにも関わらす西日が隙間からこぼれていた
ベッドのすぐ横にある勉強机の上に手を伸ばす。携帯をとろうとしたが、その前にがさりとビニール袋に指が引っかかった。その衝撃ではらりと一枚のメモ帳が落ちてきた
なんだろうと、開けば教科書かと突っ込みたくなるほど綺麗で達筆な文字
上月さんへ
勝手ながら、机の中身を全部鞄に詰めておきました。
あまり無理をしないでゆっくり休んでください。涼君も心配していたので
ひなより
律儀だなあと思いながら、最後の一文に何度も目を通す
『涼くんも心配していたので』
教室を出る前の不機嫌な顔を思い出して何も可笑しくないのに吹き出す
「ないない、あり得ないって」
あはははー、と他の人が見ていたら完全に不審者だなあと頭の隅で思いながら笑う
ぼやけ始めてきた視界はきっと笑いすぎたから。そうだ、そうだ、と何度も言い聞かせる
「はあ、本当に風邪ひくと涙腺が緩くなってダメだなあ」
さっさと寝よう、そうしよう。そう独り言を言って、布団を頭まで被った
涙は……寝るまで止まらなかった
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい！！まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか？とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます！ (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです！ (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2018年3月31日 14時
