208 専用衣装/ 交差する想い ページ8
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一息ついて後ろを振り返る。「どうしたの」なんて言いながらだったから、あんずちゃんの思わぬ姿を見て語尾が詰まった。
「…っぅ…」
「あんずちゃん…泣かないで」
「ごめんなさい…っ、でもAちゃんの言葉が…結構キちゃって…！」
ここではまだ注目を集めてしまっている。
どうしようかと悩んで、薫はひとまず目の前のミーティングルームに入った。
蓮巳くんやなずなくん、零くんも後から入ってきた。
「…何があったの?」
「…Aちゃんが倒れる前に、専用衣装の話を先生伝いで話したんです。で…、倒れてから斎宮先輩のところに行くことがあって」
「斎宮くんがAの衣装を作ると言ったんじゃな」
「！…そうです」
そこまで聞いて、何となく話の流れが見えてきた。
Aちゃんと斎宮くんで思い出すのは、夢ノ咲の抗争時代。
薫は唯一関わるまいと蚊帳の外にいたがガーデンテラスで話したAちゃんとの会話では、あの2人は友人同士だった。
だけどAちゃんにとってあの時代は…。
「…確かにAちんにとってのそれは酷だ、あんず」
「え…」
「結構前だけどおれにも聞いたことがあったんだ、斎宮の様子を。でもすぐにやっぱりいいって、言った。…多分思い出すのも辛いんだと思う、おれたちが壊れるのを…いちばん近くで見てたから」
なずなくんがギュッと両手を握る。
「…Aは、我輩たち“五奇人”をひとりひとりの人間として信じていたんじゃよ。特に斎宮くんに対しては圧倒的強さを信じていた。崩れるはずのない、実力を」
「……」
「すまんのう、嬢ちゃん。これは我々5人があの子に失望させた結果招いてしまった事じゃ」
「…それでも、どうしても…斎宮先輩の作った衣装を、着てほしいです」
「でもあんずちゃん、」
「事務所とか私とかじゃなくて、昔のAちゃんを間近で見てきた斎宮先輩こそが作るべきだと思うんです。…本当のAちゃんが、アイドルになるなんて素敵じゃないですか」
( …ああ、…Aちゃん、)
この子は、今の君にすごく必要なプロデューサーだよ。
君はずっと今のアイドル像から、離れたいんじゃなかったの?
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
