207 専用衣装/ 交差する想い ページ7
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「今の…Aちゃんの声じゃ、あっ零くん！」
1人早く駆け出した零くんの後を追いかけるように薫達3人も声がしたであろう廊下へ向かう。
そこにはしゃがみ込むAちゃんと、そんな彼女に手を伸ばすあんずちゃんの2人がいた。
周りにはなんだなんだと様子見に来たES関係者。
一瞬足を止めたものの、蓮巳くんが間に割って出た。
「…どうした2人とも」
「っ…」
「…Aちゃん」
「何でもないですから」
Aちゃんは壁に寄りかかりながら立ち上がる。
そして不意にこちらを見て目を見開いた。
( あぁ、零くんを見たんだ )
「…最悪」
「勝手に決めたのはごめん、でも作りたいって言ってくれて」
「あんずが作ればいいじゃん…今まで通り事務所の言う通りにかわいい衣装作ればいいんだよ。何が気に入らないの?」
「気に入らないとかそういう話じゃ」
「無理。絶対に着ないから」
「Aちゃん！」
エレベーターの方に歩いていくAちゃんの手をあんずちゃんが握ろうとする。が、「いい加減にしてよ！」と振り払った。
そろそろやばいと思い、2人の間に入った。
( Aちゃんがこんなに怒るの初めて見た…)
「落ち着いて2人とも…」
「…ああちょうどいいから連れてってよ、薫くん。
アイドルのことを考えないプロデューサーなんて私には必要ない」
「っ…」
「Aちゃん言い過ぎだよ」
「言い過ぎだって。…私にも同じくらいひどいこと言ったのに。
結局私だけが悪いみたいになるんだ、よかったねあんず。味方が2人もいて」
「…『2人』?」
ポーン、と開くエレベーターのドア。
Aちゃんは早歩きで入って、ボタンを連打した。
ゆっくり閉まっていくドアの向こうで、Aちゃんの向けられたことない怒りの目がメデューサのように薫を縛り付けた。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
