38 おつかれ会 ページ38
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「Amazing!皆さん、お疲れ様でした〜☆」
渉の声が聞こえる。
公演会初日を終えただけというのに、喫茶店に集まって飲み食いをする。つまりは打ち上げだ。
Aは渉の言葉を右から左へと流しながらオレンジジュースを口にした。
「天使さんの荒らげた声を聞けるのはこの公演会だけですねぇ…」
「そんなことないと思うけど。俺だって結構…」
「いやいや、Aちんがあんな声だしたのおれ初めて聞いたぞ!?」
まぁ喉潰したくないし、そんな時がなかったからなぁ…。
確かにみんなの前で荒らげたことはないかもしれない。
「でもシロちゃん先輩は大きい声出さなくても怖そうなんだぜ〜」
「…確かに、そうかも。Aさんって怒った時顔で威圧してくるからね」
「おれも一昨日やられたなあ〜」
ミツルに賛同する放送委員会組。
まさか モデルの時慕ってくれていた遊木真がそんなこと言うとは思っていなかったAは、口を引き気味に笑った。
「ゆうくん、そんなこと言うんなら泉くんに電話して来てもらうよ」
「そういうところだよ!」
「し、…Aさん、はだんだん瀬名先輩に似てきているな」
「…、うん。色々ツッコミたいね」
北斗くん不器用すぎじゃない?
北斗の様子がおかしいのは明らかに自分のせいだと思ってる。さっきの件で『白神』と呼ばないのも、少しよそよそしいのも。
『白神』が呼べなくなったら『Aさん』になるんだ…。
「むっ、お前がさっきそう呼べと…」
「言ってないよ。俺は元から名前で呼んでって言ってだけど、あの時は名字で呼ぶなって話で…」
「…あの、」
喉を潤そうと冷たいグラスに触れた手が止まった。
「白神A先輩、私 立川あんずです。自己紹介しないと、って思って」
「え、うん。よろしく…?」
「ええ!? 転校生ちゃん、どうしたの!?」
「おや、天使さんが戸惑ってるようですよ」
「私だけ先輩と関わり無かったので…」
プロデューサーを見ると思い出すのは仕事依頼について。復活祭の時のことだ。
勝手に嫌って申し訳ないとは思ってるし、本人に言ってはいないといえ、復活祭の働きを見て…などと上からのことを言ったしまったのも馬鹿だと思ってる。
だけど“UNDEAD”や“流星隊”の力がないと革命を起こせなかったことを彼女を褒めるのに使っていいのかと思ってしまう。
ごめんね。
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かげやま(プロフ) - あこ 千秋推しさん» コメントありがとうございます。まさか千秋推しさんに読んでいただけるとは…!お褒めの言葉嬉しいです(^^) (2020年5月8日 4時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
あこ 千秋推し - 手短に一言だけ。神です。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: 93d2604178 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - せんり@お絵描き部所属@流星隊pさん» ダメージ喰らいました。ありがとうございます!!(^^) (2019年4月4日 19時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
せんり@お絵描き部所属@流星隊p(プロフ) - 好きです(突然の告白) (2019年4月4日 12時) (レス) id: 6097f66ba7 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - 永瀬まゆさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です(;;) (2019年1月19日 20時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かげやま | 作成日時:2018年12月25日 0時