【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】 (ページ25)

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25 復活祭ページ25

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「♪～♪～」

零と薫が儀式(仮)を行っている間、メインのライブを行うのは晃牙とアドニス、それからA。

Aは久々のライブで心の底から楽しむことが出来ていた。個人レッスンのおかげか、上手くなったなと零が思うほど上達した歌だった。

物凄い絵面を見せられているお客さんはどう思うのだろうか。そもそもこれはこれで、そういうファンの人にとってはファンサなのか。

二枚看板のファンとかは嬉しいだろうな…。

SNSでもよく見た。

「Aくん」

「…あ、終わったの?」

「うむ。器用なことに、薫くんはもう縄を解いて女の子たちを楽しませておるよ」

「ライブ始まる前から縛られてたからね。女の子不足なんだよ」

薫が女なしなんて有り得ない。

そう付け加えようとした時、Aは肩をぐいっと持ってかれる。

驚き顔を上げると、すぐそばに零の整った顔。口角が上がり、愛おしそうな目でAを見ていた。

途端観客席から黄色い声が耳を劈くほどに大きく響いた。

「Aくんは我輩不足、だったかのう?」

「……なわけ、ない」

「我輩はAくん不足じゃよ。毎日毎日忙しそうにしておったからのう…」

「あ、そ。早く離して。俺そういう趣味ないよ。女の子が好き」

「もちろん分かっておるよ。…仕方ない、嫌われたくないので離れるとするか」

Aはしっし、と手で零を払い、お客さんに向き直る。本来しようとしていたことができなくなるのは少し腹が立つ。

といっても一言言うだけだが。

一歩踏み出して、全体を見渡した。

「変なの見せてごめんね。今日はありがとう！久々のライブすごく楽しい。みんなはどう? 楽しんで貰えたら嬉しい。どんどん盛りあがっていこーね。

来週演劇部の公演会あるからそっちもぜひ」

「さらっと宣伝してんじゃねーよ！」

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