【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】

24 復活祭 ページ24

.





.





.

復活祭当日。


朔間家の儀式を含むからか、いつもと違うライブ会場。Aは衣装を見に纏い、見慣れない景色をキョロキョロと探るように見ていた。

1年生組ユニット“2wink”が司会進行役を務めている。

どうやら得意なようでそういうユニットは夢ノ咲でも珍しいのではないだろうか。お客さんも楽しんでいる。


“2wink”が歌い始めた頃、“UNDEAD”も動き出した。

そしてAは薫の姿を見てニコニコと笑った。


「〜〜!?」

「面白いなって思って」

「〜、〜！」

「嫌だよ。俺 人に噛まれるなんて死んでも無理」

「…！〜、〜!!」

「そりゃ薫のことは気の毒だと思うけどさ…」

「なんで話通じてんだよ!!」


猿轡を噛まされている薫でも、Aにとっては何もしてないと同じくらい何を言っているのかが分かった。
それを見た晃牙はすかさずツッコミを入れるが、アドニスに「騒ぐな」と注意される。

優しい心を持ったアドニスは、騒がないことを条件に薫の猿轡を外すことに。


「気の毒だよ、本当に」

「ちょっとAくんっ、笑わないで！」

「っ、いい性格してるよな」

「わんわんだって笑ってんじゃん」


薫は怒りのゲージがピークになり温厚な性格でも眉を寄せて文句を言った。薫曰く、野菜や肉と共に棺桶の中に入れられて怖かったらしい。

背徳的よりも、これは一種のホラー映画なのでは。

Aは真顔で薫を見つめながらそう考えた。




.

25 復活祭→←23 嫌いではない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す