【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】 (ページ21)

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21 祭りの準備ページ21

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「── ってことで、その復活祭とやらには出れない」

軽音部にて、零に公演会のことを説明しに来たA。

薫に迫ったと聞いた時はとうとう男に手を出したかなんて真面目に考えたが、理由を聞けばどうやらそういうことではないらしい。

俺の家も中々だけど朔間家がいちばん謎めいてるよね。

「…我輩としてはライブだけでも出て欲しいんじゃけども」

「何で?」

首を傾げると、零がある雑誌を渡してきた。

「……、これ薫と一緒に受けた雑誌?」

「うむ。昨日発売されて薫くんが読んでたものじゃ。2人ともよく受け答えしてて写真もいい感じに撮られてる。まぁその雑誌自体は何もないんじゃがな…、」

「…?」

零は何の話をしたいのか。

Aは頭にはてなが浮かぶばかりだ。

「ファンの反応がちと危うくて、Aくんに影響が及ぶかもしれん」

「反応?」

スマホを取り出して、SNSを開く。
『薫 A』と調べるとその原因らしきツイートがたくさんあった。

@aaa
Aくんと薫ってサボり組って言うんだね！

@bbb
サボり組の顔良すぎない?
Aくんは当たり前だとして薫も負けずと輝いてる

「『サボり組』……」

「薫くんが言っておった。『Aくん、サボり組なんて言われてるけど実際サボってないよね』とな。Aくんの家のことも考えて、早く手を打たねばならんと考えたのじゃよ」

「…確かに、そうだね」

薄々、というか分かっていた。SNSを細かく確認するAはレッスン室に篭るあまり『サボっている』と思われてきたことを。

仕方ないと見逃していたが、そろそろ兄にもバレるかもしれない。零の意見には賛成だ。

「Aくんは勉強面や生活面など疎かにしている部分はあるものの、芸能活動で稼いでるからのう…。このままじゃその芸能活動も疎かにしてしまう」

「わかったよ。ライブには出る」

レッスンにも出れるようにしよう。
最悪学業(昼)→部活(夕)→レッスン(夜)で回すことも出来る。雑誌とかイレギュラーなこともあるだろうが、そつなくこなせばきっと。

___ 倒れるほど俺はヤワじゃないしな。

零は考え込むAをじっと見つめた。

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