【火神くんの彼女】 (ページ46)

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茶谷「なるほどね～、それは完全に火神くん怒らせちゃったね～」

目の前にいる加恋が、紅茶を啜りながらそう言った。

「..そっか～、でも私どうしたらよかったのかな～って」

日曜の静かなお昼時＿＿

昨日のことを考えると辛くなってしまい

出来るだけ１人でいたくなくて、近くのカフェに加恋を呼び出した。

あったことを全て話し、加恋に相談する。

茶谷「何て言うかな～、Aの気持ちも分かるけど火神くんの気持ちも分かるしな～」

「え？どういうこと？」

茶谷「Aのことを信用してないわけではないし、むしろ信じきってる」

「...」

茶谷「けど、いざ他の男の子の近くにいると嫌だし自分に向ける笑顔と同じ顔を見せてほしくない」

「..ん～..」

茶谷「って感じなのかな..？でも火神くんも反省してると思うよ！」

「え？何で大我が..？」

茶谷「Aも恋愛に対して疎いけどさ、火神くんも得意なわけじゃないと思うから」

茶谷「一杯一杯なんだと思うよ、Aに対して怒鳴っちゃった自分にも怒ってると思う」

「..そうなのかな、私が悪いことしたのに」

茶谷「でも大丈夫だよ！絶対に仲直りできる！私が保証するよ！」

そう言って、笑顔でたくさんアドバイスをくれた。

不安な状況なことは確かなのに

加恋の笑顔は、いつも私を安心させる。

今日だって急に呼び出したのに嫌な顔１つせず

すぐに来てくれた。

どこまで優しい子なんだろう、

こんなに可愛いくて優しい女の子、私には勿体ないくらいの親友。

加恋の存在があってからか、

少しだけ勇気が出た。

また大我を傷つけてしまうかもしれない

正直、何が１番大我を傷つけてしまったのか分からない

けど、このままでいるより私も素直な気持ちをぶつけよう

”ごめんね”って目を見てちゃんと言おう。

「行っておいで」なんて加恋が優しい顔して言うから

少し泣きそうになった。

だけど泣いている暇なんてない。

大我はまだ学校で部活してるはずだけど

もしかしたらもう終わったかもしれない、

学校に向かうべきなのかな

あ、でも家に定期忘れてきちゃったし

とりあえず一旦家に帰り、定期を取って学校に向かおう。

「加恋ありがとう！！」

そう言って、私は家まで精いっぱい走った。