【火神くんの彼女】 (ページ21)

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火神Side＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

黒子に白川のことが好きなのか、と聞かれ

数日経った。

正直、今まで恋愛なんてしたことないし女は苦手な方だ。

女なんて面倒な生き物だと思ってたし、

彼女なんか作るよりバスケしてる方がよっぽど楽しい。

けどそれが少しずつズレ始めたのは、確かに白川の存在が出来てからだ。

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入学式当日、アメリカから日本に戻ってきた俺は

日本の生活にまだ馴染めていなかった。

何となく決めた”誠凛高校”

かったるい気持ちがありつつその高校に向かっているとき

ドンッ＿＿＿＿

と細身の女がぶつかってきた。

「あ、すみません！」

そう謝る女は、俺と同じ学校の制服を着ていて

艶めいた髪の毛がよく目立っていた。

”どこ見て歩いてんだよ”

いつもの俺ならきっとそう言ったはず。

だが、この時だけは違った。

ツヤツヤとした髪の毛に透けてしまうような白い肌。

細身で綺麗な小さい輪郭をしているのに

パッチリとした大きな目。

不覚にも一瞬、

「綺麗だな」

なんて思った。

あまりにも惹かれてしまいそうな雰囲気に

冷静になり

「...ウッス」とだけ言い残し、その場を後にした。

え？

今の日本にはあんな女がウジャウジャ居んのか？

何だ？今の気持ち。

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これが俺と白川の初めての出会いだった。

それから、あの時ぶつかった気持ちが忘れられないまま

同じクラスになり

隣の席になり

肝試しでペアになり＿＿＿＿

いやいや、ミラクルすぎるだろ。

こんなに色々、関わる機会を設けられたら変な意識が強くなってしまう。

今まで出会ってきた女と白川はまるで別物。

元々、人と話さない俺が

変な意識のせいで白川には

何も話さなくなってしまう....

と、言うより話せなくなってしまう。

どうしたんだ、俺。

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初めて白川と普通の会話をしたのは肝試しの夜のことだ。

”お化けが怖い”

そういう白川は少しだけ震えていた。

たかが学校行事の大したことない一貫で

本気で怖がってる。

一見、完璧に見えるのに

意外と弱い一面もある。

何だよそれ.....

俺が守ってやる以外、他に何が出来るんだよ。

それからしばらくして肝試しが始まった。