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あれから野外活動が終わり数日経ち＿＿＿＿
あの日の夜の肝試しを境に、火神くんと少し話すようになった。
「火神くん、おはよ！」
火神「お、はよ」
少し俯き照れながらも挨拶を返してくれる。
隣の席でいつも少し隙間が空いていた机さえも
気付けばピタリとくっついていた。
これはきっと私たちの心の距離_______
それを表しているような気がして、なんだか少し嬉しかった。
火神「あの、さ」
私が席につくなり、またどこか恥ずかしそうに声を発した火神くん。
「...ん？」
火神「ハンカチ、のお礼したいんだけど」
そう言った彼の手には、あの日私が貸したハンカチが握られていた。
「え？お礼？なんていいよ！！そんな！たまたま持ってただけだし！それに洗ってまでもらってるし...」
火神「いや、それじゃ俺が...なんつーか気が収まらないっつーか、」
目を逸らしながら私にハンカチを渡しまるで責任を感じているような素振りのこの人は、
心の底から律儀な性格なんだなぁって
そう思った。
こうも言われてしまっては断る方が失礼かもしれない
こんなに必死に「お礼がしたい」なんて言ってくれてるのに...
「...んっと、じゃあクレープ！」
火神「クレープ？」
「うん！クレープ食べたい！」
火神「クレープか、いいじゃん！ひさしぶりに俺も食いたいし。お前、放課後空いてる？」
「..空いてるよ！」
火神「じゃあ、今日放課後食いに行こーぜ、お礼として奢る」
「いいの？ありがとう！」
火神「おう！」
そう言って火神くんの「お礼」という名のクレープを奢ってくれる会が開催されることになった。
あれ、ちょっとまって。
私もしかしてとんでもないこと言っちゃった？？
...え、火神くんと２人きりで？放課後に？クレープ？食べに？行く？
ちょっとまって、それって。
もはやデートじゃん...
あの日の夜から変に火神くんを意識してしまう。
ドキドキするような、でも安心するような。
自分からクレープを誘っておきながら緊張が止まらない。
どうしようこのまま放課後...
あぁ、バカだ私...
自分で提案したことに死ぬほど首絞められてるんだけど...
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作者名：RIERU | 作成日時：2020年10月27日 9時
