【黒バス】帝光じゃなかった十年に一人の天才

22話 ページ22

「仮に決勝で当たっても、歴史は繰り返されるだけだ」


「いいえ、過去の結果でできるのは、予想までです。
勝負はやってみなければ分からないと思います、緑間くん」


「黒子……やはりお前は気に食わん」



緑間と黒子が久々の再会を果たしている時、後藤も面白くなった。


そこからは展開も早く。


黒子と緑間の相棒である高尾がじゃれている時。



「久しぶり、緑間真太郎くん」


「お前……」



緑間の怒りを含めた低い声に、誰もが反応した。



「無名だからって調子乗ってノルマ点数取れなかった、って聞いたけど」



後藤はいつもと変わらぬ表情で、自身のこめかみに人差し指を当てた。



「同胞がいんだから調子に乗らせるかっつー話だよバーカ！」


「貴様……！」



後藤と緑間の間に不穏な空気が流れた時、相手チームの主将から声がかかった。



「いつまで喋ってる！準備しろ！！」


「へーい」



高尾が黒子から離れてベンチに向かうと、緑間も怒りを堪えて歩き出した。



「後藤A、必ず負かすのだよ」


「ふはっ、1on1で負けた犬の遠吠えに耳を傾けるほどお猿さんは暇じゃないんですー」



首を鳴らした後藤は、緑間の背中を見つめた。


後藤が戻ってきた時、黒子を含めて誠凛メンバー全員が駆け寄ってきた。



「後藤！緑間と1on1で勝ってるって……」


「えぇ、まぁ。
中学の時の話ですけど」


「一体どうやって……」


「まぁ天才同士なんで……」



後藤は笑うと、荷物を持って準備を始めた緑間を見る。


向こうもこちらを見ていた。



「後藤くん、君は青峰くんと戦いましたか？」



そんな時、横からふと黒子が話しかけてきた。


相変わらずの影の薄さに後藤は笑う。



「うん、やったよ。
けど、彼も本気じゃなかったけど」


「君は？」


「黒子くん、安心してよ。
彼らを孤独にはさせないからさ」



後藤は黒子の肩を叩いた。


黒子が後藤に目を向けると、彼は、



「もしもの時があれば、自分が倒してやるから」



いつもと変わらず笑顔だった。

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