百二十四話 ページ42
〖Noside〗
その場にいる誰もの目が奪われた。
鈴の卍解は、今まで誰一人として見た事がなかった。
だが今、目の前で彼女は卍解をした。
死覇装は黒い袴ではなく、赤い花弁が散った着物。
そして背にあるのは大きく黒い蝶の羽根。
斬魄刀は刀ではなく大鎌へと姿を変え、正に"死神"と呼ぶに相応しかった。
水色の瞳にザンが映る。
それは憎悪でも憤怒でもない、優しく哀しい目だった。
ザン「ァ…アァァア………」
止めろ。
そんな目で俺を見るな。
なんでお前はそんな目をしている？
なんでお前は立ちはだかる？
俺達を陥れ、殺した奴等を何故許せる？
俺達を鎖で縛り続けた風魔を何故受け入れている？
わからない。
虚になったザンには、わからなかった。
ザン「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"！！！！」
雄叫びを上げながら鈴に迫る。
鈴は静かに見つめ、大鎌を構えた。
鈴「"一輪咲き"」
刀身が青白い炎で包まれた。
霊圧を込めれば囂々と燃え、火力を増していく。
終止符を打つために、鈴は振るう。
「"弔いの灯"」
肉が斬れた音も、焼ける音もしない。
左肩から脇腹まで斬られたというのに、痛みも感じない。
静寂。
ザンは刀から手を離した。
止めどなく溢れる涙を拭わず、呆然と空を見つめた。
"もう、いいのよ"
そんな声が聞こえた気がした。
ふと、目の前には淡く光る手。
それが誰の手なのか、ザンにはすぐにわかった。
手を重ね、握る。
ザン「ありがとう、鈴」
鈴、と呼ばれたその声に思わず振り返る。
憂いを帯び、愛おしく呼ばれた自身の名。
酷く懐かしく感じた。
ザンが鈴の方を向く。
同じ薄紫色の髪が風に揺れ、水色の瞳が優しい光を放っていた。
灰色の雲から太陽の光が差し込んだ時、それ導かれるようにしてザンは消えた。
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RANA(プロフ) - berryぱふぇさん» お久しぶりです！その節はお世話になりました。こちらの作品も読んでいただきありがとうございます。最終にしてどう書いたらいいか悩んでます……今年中には必ず完結させるので、暖かな目で見守ってください。 (2020年3月26日 1時) (
レス) id: 37ff009e06 (このIDを非表示/違反報告)
berryぱふぇ(プロフ) - 失礼します！BLEACHに最近ハマり漫画全部よみ終えたため占ツクで読んではじめての作品です。まさかRANAさんの作品と知らず今驚いてます。参謀の方でも読ませていただきちょこっとイラストでお世話になってるため…話が逸れてしまった（汗）これからも頑張ってください！ (2020年3月8日 2時) (レス) id: 7b81cac496 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 白銀水龍さん» ゆっくりですが、がんばります！いつも応援ありがとうございます。 (2019年11月11日 23時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます！更新頑張ってください！ (2019年10月29日 17時) (レス) id: 724789ecd5 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - sumireさん» 更新停止しているにも関わらず読んでくださり、そしてもったいない言葉ありがとうございます。ちょくちょく更新していけたらと思います。 (2019年10月29日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RANA
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時：2017年3月25日 19時
