成宮的恋愛事情【◇】 (ページ1)

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昔から、目立つのが嫌いだった。

クラスの端っこで本を読んでるような居場所が心地よかった

めんどうな友人関係沙汰や恋愛なんてもっての他だった

まぁ、ぼっちとやらにはなりたくなかったので、気楽に話せる友達と適当につるんでいた。

高校は、桜沢に行こうと思っていた。いや、行きたかった。

そう、落ちたのだ。進学校と言えど受かると思い侮っていたのかもしれない。

そして、滑り止めに受けた稲実に通うことを決めた。だからテンションはだだ落ち

『なんで私こんなとこにいるんだろ…』

｢私は嬉しかったよ～？Aが稲実に来てくれて♡｣

『うるさい、美奈。』

｢この会話一年前からしてるけどねー｣

『…もう１年か』

唯一の友人と言える美奈。美奈はめんどくさい事が少ないからつるんでいたのだけど今は唯一無二の大切な友人だ。

｢あ!!!テニス部だ!!!きゃー！石井くーん!!!｣

『うるさいんだけど。美奈』

｢だって石井くんが!!!｣

イケメン好きの美奈はすぐ惚れてすぐ飽きる。

世にいう熱し易く冷め易いってやつだと思われる

私は特にそういう《好き》だの《恋》だのに関心がないから、キャーキャー言える美奈が信じらんない

｢あとね！最近は野球部の＿＿＿｣

『なに？こんどは野球部？』

｢今度ってなによー！そんな尻軽女みたいな言い方ー！｣

『はいはい、わーったわーった美奈の好きは恋じゃなくて憧れなんだよね。はいはい』

｢そのとおりだけどさー！｣

ムスッと頬を膨らます美奈は放置。というわけで

｢放置しないでよ!!!｣

『…はぁ、心の声まで読まないでくれる？』

｢なんで私が怒られてんの！！？｣

まぁいいよ！と１人で怒鳴る美奈に嫌気がさしてくる

｢で、その野球部の成宮くんなんだけど～♡｣

『成宮…？誰それ』

｢かっこいいんだよ～？放課後見に行こー！｣

キャッキャとはしゃぐ美奈をみて青春だなぁとか老人みたいな事思いながらため息をついた。