【黒バス】キセキのクリスマス (ページ37)

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無言で手を繋いで着いたのは公園というか、広場というか、そんな場所だった
矢張りクリスマスなのでカップルだらけ
皆幸せそうに笑いながらツリーやイルミネーションを眺めている

赤司くんは、まるでお姫様をエスコートするみたいに私の手を引きツリーの目の前までやって来た。エスコートなんて生まれて初めてされたものだから、緊張してしまった

それでも、ツリーは綺麗で目を奪われた
近くで大きなイルミネーションを見に来たのはいつぶりだろう。そんな風に思いを馳せていた

「A」

イルミネーションに向けていた視線を赤司くんへと向けると、真剣な表情をしていて
その顔を見ると、何故か胸の奥が高鳴って、顔に熱が集まってきた

ああ…この感情は、知ってる

知りたくないけど、知ってる

ダメだ。このタイミングで、赤司くんにそんな顔されたら、期待してしまう

もしかして、なんて
奇跡が起きるんじゃないか、なんて思ってしまう

「な、なに？赤司くん」

期待なんてするな。今まで通り接しろ
絶対違う。絶対、絶対
赤司くんは私の、苦手な人
赤司くんにとっては、からかいがいのある相手
ただ、それだけなんだから

「好きだ」

絶対、ありえない…はずなのに

「うそ…」

「本気だよ」

「だって、そんな素振りなかった」

「毎日アピールしてただろう？」

「遊ばれてるって思ってた」

「心外だな。そんな趣味はないよ」

「だって、赤司くん、完璧だから…
私みたいな、平凡な子に興味なんてないって、思ってて…だから」

だから、苦手な人だって言い聞かせて
プレゼントも、もらっても困るって
嬉しい気持ちを消してたのに

「だってもだからもない
オレは正真正銘Aが好きだ」

気付けば赤司くんに抱き締められていて、私は涙を流していた。夢みたいだ。これ、本当に夢なんじゃないのかな。だって出来すぎてるじゃないか。

こんなタイミングで、雪が降り出すなんて
まるでドラマだ

ホワイトクリスマスに、
私のずっと隠していた恋は実った

奇跡の夜

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