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｢俺、冬が嫌いなんす｣
小さくそうつぶやくと、驚いた顔をして振り返る。目をぱちくりさせたあと、俺の手を強く握りしめて｢なんで？｣と優しい声色できいてくれた。
｢冬はね、俺を弱くする。寂しくて、悲しくて、孤独で、どこか儚くて。それがすごく嫌で。｣
｢一人にされるのが怖かったのかもしれないんスけど。冬のあいだはずっととひとりぼっちが嫌で。なんつーか、よくわかんねえんすけど｣
うまく説明出来なくて、頭をかく。
俺が伝えたいのはそんなことじゃなくて、違くて。もっと、伝えたいことはこの胸の中にあって。
だけれど、それを、Aに
＿＿＿＿＿Aっちに、聞いて欲しい。
｢冬は、どこか神経質になって、自分がわからなくなる。それが何でなのかはわからないけど、孤独を感じたり心が締め付けられたりする。｣
｢ねえ涼太｣
俺の言葉を素直に受け止めて、優しく微笑まれる。
指を絡めて恋人繋ぎをしたかと思うと、Aっちは優しく一つ一つ話し始めた
.
｢わたしが、冬を好きになる方法を教えてあげる。
孤独が寂しくて、ひとりぼっちが辛くて、眠れない夜は私がそばにいてあげる。
神経質になって、イラついてしまう時は、私が安定剤になってあげる。
わたし、涼太のそんな存在になりたいの。｣
寂しそうに、優しく、明るく、彼女は嬉しそうにそう言った。胸がぎゅっと締め付けられるような気分だった。
｢私とこれから、冬を一緒に好きになりませんか？｣
、
、
｢冬だけじゃ足りないッス｣
｢1年中そばにいて。｣
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