【黒バス】水曜日の放課後、図書室で。Part 2 (ページ8)

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第54話** ページ8

コンコンコンと廊下に鳴り響くノックの音

「遼！準備できましたか？」

扉を開けて、顔をひょっこりと出すと遼は目をいつもに増して目をキラッキラと輝かせている

「できた！…あぁーー！本当楽しみだっ…！」

早く行きたい！と何度も連呼している遼を横目に、散らかってる部屋を見渡す

「あら…こんなに散らかして……」

とため息をつきながら言うと遼は、ひくっと頬を引きつらせて目を逸らし、口笛を歌う

「…もう……爺、これ誰かに頼んでおいてくれないかしら？」

近くいた爺に話しかけると爺はわずかながらにも微笑みながら

「分かりました。」

と、礼儀正しく礼をして扉の前にいるメイドに話しかけに行った

「……遼。あと10分後に出発しますので、最終確認も済ませてくださいね」

遼の返事を待たず、扉へと一歩一歩近付き振り返ると

そこにはどんどん顔つきも体も男らしくなり、筋肉もついて京都に行くのを楽しみにしている、成長した弟がいた

前までは、梨乃みたいにいつも私の後ろをちょこちょことついてきてたのに…と思いながらもくすっと笑い、遼の部屋をあとにした

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「それでは行ってきます。」

玄関の前でお見送りをするメイド・執事たちに向けて挨拶をする

「Aお嬢様、もうそろそろで飛行機の出発時刻です」

時計を気にしつつも平然を装う雪菜

「分かりました。翔、車の準備は大丈夫？」

私は雪菜から目線を移し、隣にいる翔を見る

「あぁ、大丈夫だ」

雪菜とか、斗愛とは違いクールで一匹狼のような翔。

時々、翔の長くて綺麗な髪が風になびいて隠れている右目が見える

雪菜とも同じ、灰色と藍色の綺麗なオッドアイ

初めて見たときに、単純に

「綺麗」だと思った。
言葉にした時に2人はその綺麗な目を見開き、雪菜は涙を目を浮かべて微笑み
翔は泣くのを我慢しているのか、唇を噛み締めていた

後から聞いた話、翔と雪菜は目のことで人に嫌われていじめられていたそうで人間不信だったらしく、綺麗だと言われたのは初めてだったと、爺が言っておりました

「じゃあ、行きましょうか。遼、忘れ物はないでしょうか？」

私の隣でウズウズしている遼を見て確認する

「あぁ！早く行きてぇ！！」

遼はいつになったら落ち着くのやら…

と思いつつも空港へと向かった