自己犠牲 ページ46
ドクン…ドクン…と心臓の動きだけを頼りに、目を閉じる。身体中の神経や血潮の流れまで、この手に取るように分かった。
王騎 『A、もっと集中しなさい』
A『父上っ！集中と言ってもどうすれば…』
王騎 『力に飲み込まれぬように…
自分自身を意思をしっかり保つのです。
ほら、やってごらんなさい…』
手が反射的に動き、敵の頭部を飛ばす。
飛び散る水滴の一粒まで、Aには止まって見えた。
A「…はい。父上」
そして、刀を振り上げると自分の周りをいた男達が
一瞬で倒れた。その凄まじい一閃に、敵国の兵士は怖気づき「あれは…人じゃねぇ…」と何度も口にした。
懐かしい父上との修行を脳裏に描きながら、
Aが気づいた頃には、周りに屍の山しか残っていなかった。
アダム 「姫様ッ！…あ、いや隊長ッ！
左軍、右軍に展開させた主力部隊が、
敵本陣を壊滅させたと連絡が…！」
A「……そう」
父からもらった白い宝刀を鞘に戻す。
まんまとAの誘いに乗ってきた敵将も目の前の屍の中にいた。
胡蝶隊兵士 「またうちが勝ったぞッ！」
胡蝶隊兵士 「連戦連勝ッ！！
勝利の女神がいる限り、秦国に敗北はないッ！」
増員された兵士達が、勝利に酔いしれる中、
真っ白で美しい馬に乗ったAは、
この世の者とは思えぬ程、戦場に似つかわしい
美しさを放っていた。
だが、昔から彼女を知る側近達は
自分を酷使し続ける姫が心配でならなかった。
アダム 「姫様…また無茶をっ！
一人で敵の主力部隊を引き付けるなど、
大将のやる事ではありませんよ！
五千人隊になってから、
ちょっと無茶しすぎじゃないですか？」
いつもおチャラけた彼にしては、強気な台詞だった。
それでも、肝心な張本人はどこふく風で気にも止めてない様子だ。
A「どうして？
敵が狙いどおり、思った場所に来てくれるなんて
これほど楽な事はないじゃない。
皆の血も流れなくてすむし…」
正直、自分流の絵図で戦った方が圧倒的勝利と
犠牲者が最小限に留められた。
戦場はこんなに簡単に勝てるものだったっけ…？と
当のAも感じていた。
朱龍 「その戦略が問題なんじゃろッッ！」
A「いたっ…！じいさま…ひどい」
アダム 「じじい！…じゃなかった…副長！！」
朱龍 「……お前も殴られたいか」怒
アダム 「ごめんなさいいい！！」
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イルカ - とっても面白いです！！続きが気になって気になって… 更新、楽しみにしてます！ (2020年11月11日 16時) (
レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - のだめさん» のだめさん。リクエストありがとうございます！明るいシリーズ書きたかったので早速書いてみますね！ (2020年11月3日 22時) (レス) id: 32e2b69621 (このIDを非表示/違反報告)
のだめ - このシリーズの４？くらいで、もしも結婚したら的な小話あったじゃないですか、、リクエストで、呉鳳明と項翼、白麗の3人も見てみたいです (2020年11月3日 21時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 鮮花さん» リクエストありがとうございます！こっちか、外伝の方に書いてみますね！ (2020年10月24日 19時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
鮮花 - リクエストで、番外編で昌平君との話を見てみたいです。「甘めで (2020年10月23日 20時) (レス) id: 23c6c86966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年10月6日 22時
