林檎が四十四個 ページ46
「お前心当たりは？呼び出されたとか、」
ドアを叩いていたゼンさんがこちらを向いた
突然の質問に一瞬詰まったが、宮廷薬剤師の試験中ということを告げる
それを聞いたゼンさんはもう一度扉に向き直り、
「なるほどな・・・それを知っての真似かっ、！」
今度は焦った様子で扉を引き始めた
『朝には視察がくるので、それを待てば開きますよ？』
慌てようが凄かったので言葉を挟む
ゼンさんはこちらを見ることなく、悔しげに吐き捨てた
「試験の最中に俺といたなんて知られたらまずいだろっ・・・！」
あ、と声を漏らす
そうか、ゼンさんは一国の王子
ここにいた、しかも試験中に私とあっていたなんて知られたら・・・！！
ゼンさんの心遣いが嬉しくてジーンとしてで彼を見つめていたが、しばらくしてある事に気がついた
『でもゼンさん、ここに来たって事は何か様が・・・？』
首を傾げて問うと、ゼンさんは手をワタワタとさせ私を見た
所々口調が吃っている
「〜あ、やっ！何となく＿＿足が向いただけだ。」
息抜きにでもしにきたのだろう、とふむふむ一人で頷く
やっぱり王子は大変なんだな、と感心している私を見て、ゼンさんは“軽率だったかなー“思い溜息を着いた
「いつからここにいるんだ？」
ゼンさんは眉を下げ、壁にもたれた
『んー、昨日からです！』
「ちゃんと寝てるのか？」
『んふふ、寝ましたともっ！』
自信満々に胸をそりながら言う
ニコッと笑った私を、ゼンさんは不服そうな顔でチラリと見た
「・・・お前、時々そうやって笑ってごまかすよな。」
腕を組むゼンさんから視線を外し、薬草園をぐるりと見る
“こんな整備された薬草園なんて、なかなか見られませんもん！“とえへへと花を見た
『ん？』
そのたまたま見た花に私は近寄り、手にとった
私のいきなりの行動を不審に思ったのか、ゼンさんも近づいてきた
「どうした？」
ゼンさんは少し屈む
私は顔をしかめた
『この薬草、深夜から朝にかけて花が上に向くんですけど、』
途中で言葉を濁す
水は通っているし、環境もしっかりしている
考え込んだ私は立ち上がり、不意に水路の水を掬い、飲んだ
『水が甘い・・・！』
そう呟いて２階へ駆け上がり、同じように水を飲む
戻ってきた私をゼンさんは不思議そうな顔で見た
唸った私は、顔をぱっと上げた
『水路に毒素が流れてます。』
「毒！？」
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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