emergency…140. ページ20
.
体育館に入ると、レギュラー陣から“また来たよ”的な目で見られた。
うっ……相変わらず厳しい眼差し。
てかスタメン全員二年生って凄いよね。
何回か練習見てるけど、ごめんなさい。
上手いのか下手なのかわかりません。なんせバスケの素人もいいとこなんで。
「あ!危ないっ!」
「へ?」
声の方に顔を向ければ、もの凄い勢いでボールがこっちに向かって飛んできてて。
「きゃっ!!」
運動神経があまり、というか無いに等しいあたしがよけれるハズもなく、当たるのは覚悟で咄嗟に目を瞑った。
が、いつまで経っても痛さはなくて。
そーっと目を開けると、真っ白な色が視界に広がり、それが練習着のシャツで誰かの胸元だってのはなんとなくわかって、ゆっくり顔を上げる。
そこには初めて見る顔があった。
「あ、あの……どうもありがとう…」
庇ってくれて。
お礼を言うと、彼はあたしを見下ろして一言。
「素人は邪魔になるだけなんで、出てってもらえますか」
にこりと微笑む彼の言葉の意味が理解出来なくて何も言わず、動かずにいると彼はため息を吐いた。
「僕の言ったこと理解出来なかったですか?」
「え、っと、」
「邪魔だから出ていけと言ったんです」
「いや……でも、顧問なんで、」
「出ていけと言ったんです」
「ひっ…!」
瞳孔をカッと開いた謎の少年。
だ、誰かに似てる。怖い。
でも教師として、
顧問としてここで引くわけには…
「滝澤先生、教頭が呼んでますよー」
扉の方からした声に振り返り、わかったぁと返してすぐさま顔を正面に戻す。
「用が済んだら絶対戻ってくるからね!」
「…………」
「体育館の真ん中に居座ってやるんだから!」
「……うざ」
ぼそっと吐き捨て、彼は練習している彼らの元へと歩いていった。
うざ、うざ、うざ……と頭の中で木霊する。
ガーン。あの一言にこんな威力があるなんて。
もう……なんなのここの部員たち。
.
「どうして素直に、“危ないから隅にいたほうがいい”って言えないんですかね、君は」
「別にそんな風に思ってない。邪魔だから邪魔と言っただけだ」
「A先生って君のタイプっぽいですもんね」
「何を言っている。僕のタイプは品のある女性だ」
「知ってますか?タイプとは理想であって、実際好きになる人は真逆だったりするんですよ?」
「…………」
.
806人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
輝良@逆撫(プロフ) - エルさん» え、私、かなりゲスいよ!?(笑) (2014年10月25日 1時) (レス) id: c55524cef5 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 梨乃さん» こちらにもレスくださってたんですね!ありがとうございます(o^^o)ファイナルで吐血してもらえるかなぁ……どうだろうか。うん、頑張ります(((o(*゚▽゚*)o))) (2014年10月24日 22時) (レス) id: 5c16d73fbb (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 輝良さん» 心ちっとも綺麗じゃないよ(^^;;ドス黒いよマジで……輝良のほうが心綺麗そうなんだけど(≧∇≦)?! (2014年10月24日 22時) (レス) id: 5c16d73fbb (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - 良かった、良かった(^∀^*)もう、終わりですかぁ…早いですね〜… どんどん吐血させちゃって下さい!!←笑最後!!頑張って下さい!! (2014年10月20日 23時) (レス) id: ea0d077b73 (このIDを非表示/違反報告)
輝良(プロフ) - エルさん» 名前はね(笑)エルの名前って天使みたいで可愛いし、心の綺麗な人っぽいから可愛いと思う!← (2014年10月20日 22時) (携帯から) (レス) id: f272c0973e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kakeru00/ 作成日時:2014年10月10日 21時