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変わらず一機だけ動く自動改札に、定期をかざす。
駅を出て、Aは昨日の記憶をたどりながら道を歩き始めた。
そうして、歩き出して数分。
「……あ、」
足が止まる。道の真ん中で、肩にかけた黄色のジャージが揺れた。
「昨日ぶりだね、水那月さん。」
「……幸村くん……」
幸村はにこりと笑うと、立ち止まるAの元へと近寄った。
「今日も来てくれたね。じゃあ、行こうか。」
「……うん……」
不思議と、耳に流れ込むその言葉はAを素直にさせた。
まるで、魔法のようだ。昨日といい、今日といい。
幸村はAの手を取り、昨日と同じ道を辿って学校へと向かった。
昨日ほどの緊張は、Aには生まれなかった。それでも、握られた手の体温を意識する度、Aの胸は音を立てた。
(……)
目にする彼の姿がたとえ後ろ姿であっても、Aは彼から目を離すことができなかったのだった。
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I like choco - 面白すぎます!心臓バクバクいってるんですけどどうしたらいいですか? (2020年6月28日 20時) (レス) id: 46acbe60c7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 海底学校・・・行ってみたい(*´▽`*) (2017年6月9日 19時) (レス) id: baf811e79e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - これ素敵です!! (2017年1月30日 0時) (レス) id: c6154ab521 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - まゆさん» ダメですよ帰れなくなっちゃいますよ!! (2015年10月17日 23時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - うー....でも仁王君ドンッってされてみたいです....w (2015年10月17日 22時) (レス) id: 8478a5faa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年9月22日 22時