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シンタロー「さっきのであんなに赤くなれるなら、感じやす__」
「違うってっ!!だいたい…あんなことされたのだって……初めて…だし……」
カノ「え、何、照れてる?」
「や、やめてよっ!」
キド「あー…もう、俺達の考えすぎだった、って事でいいんじゃないか?」
セト「そっすよね。」
キド「でも、あれだな。Aがちゃんと俺達の前で泣いたのって、他に『あの日』だけじゃないか?」
「あ……あの…日…」
……古い記憶。あの日の記憶。
セト「確かにそうっすね〜。俺達が引き取られた時も泣かなかったっすもんね」
泣かなかったよ。笑顔でサヨナラしなきゃ、ダメでしょう?
カノ「あれ?でもさ〜、あの日キドも泣いたよね?」
つぼみは、あの日の私を見て泣いてたね。
キド「そ、それはセトも同じだろっ!」
幸助、あの頃はいつも泣いてたもんね。
けどさ、私が気付いてないと思ってた?
「……修哉だって泣いてた癖に。欺いて隠してたでしょ。」
カノ「ええっ!?」
キド「…バカノ。隠すな。」
カノ「まあ、一番泣いてたのはAちゃんじゃん」
皆泣いてくれたんだよね?私なんかの為にでも。
キド「Aは当事者だろうが。」
『当事者』
そう、私は当事者。皆を泣かせたのは、私。
「止めよう!あの日の話なんて。」
キド「もし今でもそういう気があるんなら、俺達は何が何でも止めるからな。」
「やめてよね?そんなつもりナイナイ!……っていうか、つぼみとかシンタローとか、暑くないの?そんな服装で。」
キド「俺は普段からこれだからな。」
シンタロー「じゃあ、Aは何でパーカー片方だけ捲ってんだ?暑いなら脱げばいいんじゃねぇか?」
「い、いや…これは……」
話題の変え方失敗した……!
キド「ああ、脱ぐなら、ハンガーあるぞ?」
「えっと…私は…」
今脱ぐわけにはいかない。私は……。
幸助が近づいてきて、私に耳打ちする。
セト「ちょっと聞きたいことがあるんで、いいっすか?」
反射的に頷く。
聞きたいこと……?
セト「じゃあ、Aにアジトの案内してくるっすね!」
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作者名:夜桜
作成日時:2017年10月15日 23時