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春 「くくっ、なんだ、そのマヌケな顔。」





少し張り詰めたような空気が、
春千夜さんの一言で一気に緩む。
私の頬を撫でて、身体を離そうとする彼。
その腕を慌てて掴んだ。





『待って…!』





掴まれた腕をチラッと見てから、
驚いた顔で私を見つめる春千夜さん。





『あの、何があったのか、
ちゃんと教えてもらえませんか…?


春千夜さんが、そんな…
苦しそうな顔をして、
私に…、傍にいろって言ってくれている理由、
分からないままは嫌…。』





彼はため息をついた。
我儘、だったかな…。
知らない方がいいことなんだろうか。
でも、あんな顔の春千夜さんを見たら、
ちゃんと知らないといけないと思ってしまった。





多分、淡々と話していたお医者さんのお話も、
嘘が混ぜられているんだろう。
その時、春千夜さんはそっぽを向いていたけど、
その横顔は、ずっと苦虫を潰したような顔だった。






知りたい。
きちんと。
誤魔化されて、微温湯に浸かったままで、
こんな真剣に私を想ってくれる人に
向き合うことは出来ない。






春 「分かった。
全部教えてやるよ。
……でも、A、
何もかもお前のせいじゃない。いいな?」





『……はい。』






春 「ココはお前を傷付けたくなかったんだろうけど、
この先も、お前がウチにいるなら、
知っておいた方がいい。」






それから春千夜さんは
事件のことをすべて教えてくれた。





部下の方々の中でも特に親しくしていると思っていた彼が
私達を裏切っていたことも、
その彼が万次郎君の手で撃たれて、
もう二度と会えないことも、
環さんがすべて仕組んでいたことも、
彼女は春千夜さんと竜胆くんの手で、ということも。






迷惑をかけてしまった私が泣くのは違うと、
何とか涙は堪えたが、
話の途中で、どうしても気分が悪くなり、息苦しくなる。






すると、春千夜さんが抱き締めてくれて、
今すぐ全部知る必要はねぇ、続きはまた後にするか、と聞いてくれて、
本当にいつもの口の悪い彼はどこに行ったんだろうと
場違いな事を考える。





そして私が首を横に振ると、
背中を摩りながら話を続けてくれた。
飾り気の無い言葉で、
何一つオブラートに包むことなく。





話の内容は、正直言ってかなりキツいものだった。
でも、きっと春千夜さんに教えてもらって良かった。
竜胆くんや、ココくんに聞いていたら、
優しい2人のことだから、少し濁して教えてくれただろう。

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きりん。(プロフ) - yumさん» この春千夜は、好きになっちゃいますよね。作者ですらそう思います。笑 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2022年12月7日 21時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)
yum - いや、もう、マジで神です。春千夜、、、ヤバい、カッコよすぎる。きりん。さん天才すぎます。語彙力ゴミですみません💦 (2022年12月7日 19時) (レス) @page50 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月??_低浮上_さん» 可愛いですね!ほっこりしました(^^) (2022年12月7日 19時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)
紫月??_低浮上_(プロフ) - きりん。さん» ʕ•ﻌ•ʔฅ´- はい! (2022年12月7日 14時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月??_低浮上_さん» 実は、私的にはさらに甘い展開を、この後ご用意しております!ぜひお楽しみに! (2022年12月7日 14時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月25日 19時

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