妖狐の懺悔 ページ32
リツが出ていったことにより
沈黙が走る
どこかアラシの表情が暗い
それはAが目覚めたときからそうだった
『アラシ、大丈夫・・・』
呼びかけてもアラシは俯いたまま上の空という感じだ
仕方ないので布団から出てアラシの正面に正座する
『アラシ！』
Aの声が届いたのかいつの間に正面にいたAに驚く
『元気がないみたいだけど、どうしたの？』
Aを見つめるアラシの瞳は相変わらずどこか悲しげだ
「Aちゃん・・・その、抱きしめてもいいかしら？」
突然の要求にAは一瞬ポカンとしてしまう
『えっ、別にいいけど・・・って、うわっ！！』
了承を得た瞬間包み込まれる感覚に襲われた
背中にまわされてる腕はどこか震えている
「あの時・・・」
ポツリと絞り出すようにアラシは一言一言言葉を紡ぐ
「Aちゃんがレオちゃんと二人っきりになっている時、ある程度わかってはいたの。レオちゃんがAちゃんに何をさせようとしているのか・・・それがどれほど危険な行動か・・・わかっているはずだったのに・・・」
声に若干嗚咽が混じる
「止められなかった・・・もっと他に方法があったはずなのに、あたしは・・・見て見ぬふりをして・・・そのせいで、Aちゃんを・・・危険に晒した」
『でも、今私はここにいる。それに成功してイズミだって元に戻ったらしいじゃない』
「ええ、確かに・・・結局、助かったからよかったけど・・・もし失敗してたらって思うと、今でも震えが止まらないの・・・」
震えはいつの間にか全身に広がり、Aはされるがままでいるしかなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御霊t(プロフ) - 花鈴さん» お気づかい、コメントありがとうございます。楽しく読んでくださり作者としては嬉しい限りです。私としては冬は好きなのですが、寒さには弱く家に引きこもる日々が続いています。ですが、できる範囲で頑張りますので、これからも応援よろしくおねがいします (2019年2月10日 22時) (
レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 初めてコメントさせていただきます。いつも楽しく読ませて頂いております！持病をお持ちなのですね。まだまだ寒い日が続きますしどうぞご自愛ください。これからも応援しています。 (2019年2月10日 20時) (レス) id: 0fa2481ff6 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - 萩さん» コメントありがとうございます。受験生なのですね、私の方こそ応援しています。勉強、頑張ってください。また、この小説を息抜きに読んでくださりとても嬉しいです。体の負担にならない程度にこれから更新頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
萩 - ひぇぇぇぇ...持病をお持ちだったんですね... 私は受験生ですが、この小説をよく息抜きに読みます。 作者さんの辛さは、私の比ではないかも知れません。無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しています。し続けます！ (2019年2月9日 22時) (レス) id: 94abb9a787 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - あきなさん» ありがとうございます。温かいコメントに感謝します。語彙力が乏しくうまく物語を伝えられているか、更新するたびに不安になりますがこのようなコメントをいただいてとてもほっとしています。これからも自分のペースで頑張っていきたいと思います (2019年2月9日 21時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御霊t | 作成日時：2018年12月15日 14時
