駆ける妖孤 ページ16
Aは混乱する中、必死に洞窟内を駆けまわっていた
(とにかく今はリツたちと合流しなきゃ・・・捕まったら今度こそ喰われる)
背後から迫ってくる殺気が心臓の鼓動を促進させる
しかし何かに足をとられてそのまま倒れる
膝を擦りむいたのか膝に痛みが走る
自分の足首を見るとそこには・・・
(これは・・・蛇?)
白い鱗に淡い青色の模様が走っている蛇だった
どこか面影があるその蛇に気をとられているのも今のうちだった
「鬼ごっこはもう終わりだよ」
上から振ってくる声に息を止める
おそるおそる視線を上げればニヤリと口角をあげたイズミが立っていた
「さあ、もうこれで懲りたでしょ。大人しく俺に喰われなよ」
イズミの手がゆっくりと近づいてくる
次の瞬間だった
「あらあら、女の子に手を出すなんてイズミちゃんも落ちたものね」
聞き覚えのある声に自分の横を通り抜けイズミに放たれる炎
その温かさになつかしさを感じる中さらに目くらましのように燃え上がった炎が視界を遮る
「大丈夫?Aちゃん」
『・・・アラシ』
狐火を纏わせたアラシはそのままAを抱き上げ、イズミに背を向ける
「とにかくここから離れるわよ、今のイズミちゃんが相手となるとあたしでも到底敵わないわ」
そう言って光の速さで洞窟から出たアラシだったが足を止めず走り続ける
「今は少しでもイズミちゃんから離れることが先決よ。ここはイズミちゃんの昔の縄張り・・・いわば庭のようなものよ。あたしたちの位置なんてすぐにばれちゃう」
焦っているのかいつもより余裕のないアラシの表情に
Aは改めて今の状況が現実だと実感したのだった
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御霊t(プロフ) - 花鈴さん» お気づかい、コメントありがとうございます。楽しく読んでくださり作者としては嬉しい限りです。私としては冬は好きなのですが、寒さには弱く家に引きこもる日々が続いています。ですが、できる範囲で頑張りますので、これからも応援よろしくおねがいします (2019年2月10日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 初めてコメントさせていただきます。いつも楽しく読ませて頂いております!持病をお持ちなのですね。まだまだ寒い日が続きますしどうぞご自愛ください。これからも応援しています。 (2019年2月10日 20時) (レス) id: 0fa2481ff6 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - 萩さん» コメントありがとうございます。受験生なのですね、私の方こそ応援しています。勉強、頑張ってください。また、この小説を息抜きに読んでくださりとても嬉しいです。体の負担にならない程度にこれから更新頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
萩 - ひぇぇぇぇ...持病をお持ちだったんですね... 私は受験生ですが、この小説をよく息抜きに読みます。 作者さんの辛さは、私の比ではないかも知れません。無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しています。し続けます! (2019年2月9日 22時) (レス) id: 94abb9a787 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - あきなさん» ありがとうございます。温かいコメントに感謝します。語彙力が乏しくうまく物語を伝えられているか、更新するたびに不安になりますがこのようなコメントをいただいてとてもほっとしています。これからも自分のペースで頑張っていきたいと思います (2019年2月9日 21時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御霊t | 作成日時:2018年12月15日 14時