煙草の匂い。【sm】

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志「先生が病気でも一緒に闘います。
だから、俺の前から消えないでください。」

『.......志麻くんが大好きだからこその願い。
志麻くんにはもっと素敵な人がいるわ。』





その " 大好き " が恋愛感情なのかはさておき、ツーっと頬に涙を伝わせる彼女が見ていられなくて。

いつも笑顔だった彼女が初めて涙を流している。





『志麻くんはきっとこれから沢山の人に愛されるようになるから。その人達を大事にしてあげて。

.......ねぇ、私のおねがい聞いてくれる？』





大きな瞳を潤ませながらそういう彼女に「いいえ」なんて言えるはずもなく、俺の初恋は儚く散った。



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聞いたところによると先生はその後三ヶ月ほどで病状が悪化し、亡くなったそう。


もっとこういう事話せば良かった。

あの時もう少しこうしたかった。


なんて後悔はあとからフツフツと湧き出てくるもので、未だに後悔と未練がタラタラだ。





志「先生、元気にしとるかな。」





空虚な空間に一つ言葉を落とし、煙草を箱から1本出す。





志「貴方のせいで煙草がやめられへんのよ。」



志「煙草の匂いは俺の好きだった人の匂いやったから。

今もこれからもずっと愛しちゅうよ、Aさん。」








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