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その後、鉄塔広場へ移動した雷門は相手の凄技を受ける特訓をしていた。
白石は風邪気味なので見学とし、「いいねぇ、特訓だねぇ!」と宙を舞う仲間を円堂の隣で同じように眺めている。そこへ、「円堂、A。ちょっといいか」と豪炎寺が声をかけてきた。
3人は小さな木陰に移動すると、豪炎寺は木の枝で"イナズマ落とし"の像を描き始める。
「まずひとりが飛ぶ。もうひとりがソイツを踏み台にして、さらに高さを稼ぐ。十分な高さに達したところでオーバーヘッドキック。……どうだろう?」
これはまだ予想に過ぎないので孫である円堂に確認を求めれば、彼は目を輝かせていた。
「豪炎寺……そうだよ!多分その通りだよ!!すごいなお前!」
白石はそんな円堂の姿に思わず笑うと、次いで豪炎寺を見る。
『こんな不安定な足場からオーバーヘッドキックを出来るのは……。豪炎寺くん、君か俺になるんだけども』
「俺かAが?」
『そう。でも生憎俺はこのザマだし、試合に間に合わせることを考えたら豪炎寺くんしか居ないと思う』
「うん!そしてお前の踏み台になれる奴は……」
『……壁山くんだな』
円堂の続きを引き継いだ白石がそう言った瞬間、壁山は空へ放り出された。
円堂はそれを眺めつつ「よし!そうと決まれば、今から特訓だ!!」と踏み台役の壁山に事情を話に向かう。
白石と豪炎寺はその後ろ姿を見つめてから、お互いに苦笑いをこぼした。
『イナズマ落とし、頑張って』
「ああ。試合までには完成させるさ」
『それは楽しみだな。
……あ、そうだ豪炎寺くん。君には伝えておくよ』
「どうした?」
『野生中の試合まで、部活に出れないかもしれない』
「……は?」
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
