Diary【柳生比呂士】 (ページ36)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:46,932 hit

番外編　被害防止のためページ36

「＿＿＿＿＿＿手伝い？」

ある日、
柳生にお願いをされた。

「別に、良いけど…」

「本当ですか？
ありがとうございます。
少し…いや、かなり手がかかると思うのですが…」

柳生は内容に関して詳しく言わなかった

小野寺も別にそこまで気にしていなかったし、
テニス部の手伝い。だったので、
難しいものではないだろう。と考えていた。

「こ、こ、は＿＿＿＿＿？」

私が連れてこられたのは、
荒れ果てている調理室だった。

「あなたに手伝ってもらいたいというのは、
彼女のことなんです。」

柳生が指さした先には
何やら怪しい笑い方をしている
女子生徒だった。

「えっと、あれは？」

恐る恐る指をさし、
柳生を見上げた。

「うちのテニス部のマネージャーです、
彼女は少々、いや、かなり変わっていまして。」

「あ、柳生くん？
ちょうど良いところに来た、ちょっとこっち来てくれる？」

柳生は一歩足を引いた。
小野寺は不思議に思い、また柳生を見上げると、

「＿＿＿＿＿＿＿＿柳生くん、
汗の量、尋常じゃないけど、大丈夫？」

「ええ、大丈夫、ですよ？」

「声、上ずってるけど…」

「いえ、気のせいでしょう、
さ、さて、彼女の所にいきま」

「柳生くん、なんで言ってるそばから
私に背中を向けてるの？」

小野寺は様子がおかしい柳生を
不思議に思ったが、
向こうから「早く！」と、
最速の声が聞こえたため、
仕方がなく柳生の腕を掴んだ。

「え？小野寺さん？！」

「だってあの子、呼んでるし、
私まだ用件が＿＿＿＿＿＿＿え？」

小野寺が前を向くと
何やら怪しい物体を差し出されていた。

見るからに、毒物。
色とか匂いとか、見た目とか。
全てにおいて、ダークである。

「あれ、気のせいかな……」

なんだか少し前、
私はこのダークマターを食べた気がする。
好きで食べたわけではなくて、
あれは……

「はい、あーん。」

彼女はニコリと笑って
スプーンを小野寺の口の中に突っ込んだ。

「う＂っっ…………！！！」

「だ、大丈夫ですか？！」

柳生は慌てて小野寺に駆け寄る、
すると柳生の肩が突かれた。

「はい？」と顔を上げると
口の中にスプーンと同時に食べ物でない
“何か”が入ってきた。

「う＂う＂っっ……！！！」

この後、
2人揃って腹を壊して、
暫く学校に来れなかったそうだ。

____被害防止のため

身を挺して防ぎましょう。