ルビーは提案する ページ27
そう、彼女のぬいぐるみのクロはカラ松と別れる前に「あげる」と言って車の中に置いて行ってしまっていたのだ。
言われて兄弟達は車の中を覗くと、確かに助手席には彼女がいつも持ち歩いていた黒く不気味な猫のぬいぐるみが無造作に寝そべっていた。
予想外の展開に兄弟達は落胆し
その苛立ちが再びカラ松へと矛先を向けた。
「っとにテメェ、なァんでコレ受け取った!?」
「お、俺は動けなかったんだ!彼女が有無を言わさず押し付けてきただけで……」
「あーもーダメだ。手掛かり無し。心当たり無し。詰みだ詰み。詰んだ」
「Aちゃん、帰って来ないの……?」
「どうしてくれんだクソ松?どうすんだクソ松??このままAちゃん見つかんなかったらお前のせいだからな」
「ご、ごめんなさい……………」
「と、とりあえず落ち着こうぜお前ら!な?」
またもや泣きだしそうになるカラ松を気の毒に思い、おそ松は弟達を宥めると置いて行かれたぬいぐるみを手に取った。
首輪の裏側を確かめてみると、確かにそこには発信機が取り付けてあった。
前々からこの発信機が付いているのはAもクロも知っているはずなので、だから置いて行ったのだろう。
流石のおそ松もお手上げだった。
彼女の現在地を特定しようにも、発信機は無いし、彼女が行きそうな場所も知らない。
そもそも今現在行動しているのはAではなくクロである。
普段とは思考のパターンも違うのはおそ松も薄々わかっていたからこそ、お手上げだった。
「………とりあえず、手分けして探そうぜ?
もしかしたら、まだ近くに潜伏してる可能性もあるかもしれないから」
「手分けすったって…何処をどう探すのさ?
まさか、手掛かり無しに町中駆けずり回れって言うの?」
「そのまさか。だってそれしか方法無いだろ?
それとも、いーの?このままAちゃんが見つからなくって、もう会えなくなっちゃったら」
「「「「「……………」」」」」
無謀だが、それしか方法は無い。
おそ松はそう提案して弟達を見渡すと、彼等は互いに顔を見合わせながらも、答えは決まっているようだった。
おそ松はニッと笑うと「決まりだな」と告げると、参謀のチョロ松が作戦を言い渡した。
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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