サファイアはマヌケだ ページ28
2人1組、3チームに分かれる事となり
それぞれ車、バス、電車の移動手段で探し回りながら情報を集める事になった。
おそ松とカラ松は車。
チョロ松と一松は電車。
十四松とトド松はバス。
互いに何かあったらすぐ連絡するよう伝え、兄弟達は解散すると、逃げ出したAを探す為それぞれ乗り物に乗り込んだ。
「とりあえずカラ松、お前また痺れ切れてないだろ?
そのまま運転させんの怖いから今だけは俺が運転してやるよ」
「サンキュー、brother……」
おそ松、カラ松のコンビは車に乗り込むとシートベルトを装着し、おそ松はバックミラーの傾きを直しながら「ちゃんと運転出来っかな〜」なんて心臓に悪い事を呟いてみせる。
だが対して助手席のカラ松は酷く静かなもので、いつもの喧しさや痛々しさが無く、おそ松は思わず声をかけると、カラ松は1つ溜息を吐いた。
「……すまない、おそ松」
「あー、気にすんなよカラ松。クロの事知らなかったんだから、仕方ないって。
ま、2人だけで遊園地来たのはクソムカつくけど、今日だけ特別に諭吉2枚で許して……」
「違う、ソレじゃない。
…いや、確かに彼女を逃がしてしまったのも申し訳ないと思ってるが……」
「…?」
てっきりAを逃がしてしまった事に対する謝罪なのだと思っていたが、どうやら違うようだ。
おそ松は首を傾げると、カラ松は視線を落としたまま、重そうに口を開いた。
「……そもそも、俺が彼女と2人で駆け落ちなんてしなければ良かったんだ」
「はァア?駆け落ちィ?」
予想もしなかった言葉におそ松は思わず声をあげると、カラ松は小さく頷いて「彼女から誘われてな」と付け足した。
「明らか罠じゃん」
「……だよな」
「え?カラ松マジに捉えちゃったワケ??」
「ああ……マヌケだろう?」
「マヌケ過ぎない???」
Aが駆け落ちするなんて考えられない。
まずその行為がどういう意味なのかも知らなさそうだし、下手したらその言葉自体も知らないかもしれない。
おそ松に酷い事を言われたからって、いくら心に傷を負ったからって、Aがそんな事言うはずがない。
あるはずが、無いのだが。
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柊(プロフ) - 朝から暇潰しにと軽い気持ちで読み進めてたんですが、書き方や設定の作り込みにすごく惹き込まれて一気に最終章まで読み進めてしまいました……特に主人公対兄松それぞれのやり取りにはすごく圧巻したというか、兎にも角にも笑いあり感動ありですごく面白かったです;; (2022年4月30日 0時) (レス) @page50 id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - トマトの王様さん» コメントありがとうございます!終わってしまいました…!楽しんで頂けたようで良かったです^^ここまで読んで下さりありがとうございました〜!! (2019年8月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
トマトの王様 - うわあぁぁぁぁぁ!遂に終わってしまった…!( ;∀;)読んでてとても楽しかったです。お疲れ様でした! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 5390b171c6 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - arumo?さん» コメントありがとうございます!お疲れ様ですっ( ˇωˇ ) (2018年10月10日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
arumo?(プロフ) - お疲れ様です! (2018年9月29日 11時) (レス) id: ee4365cb85 (このIDを非表示/違反報告)
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