サファイアに後悔は無い ページ43
「………後悔は無いさ」
一通り思い出してから、カラ松はバックミラー越しに彼女を見つめ、そう言った。
すると彼女はようやくこちらの方を向いて、少し驚いているような顔をした。
それがまた可愛らしくって、カラ松は思わず手を伸ばしてその頭を優しく撫でてやると
信号が青に変わったので、アクセルを踏んで車を動かした。
「…本当に？」
「ああ、本当さ」
「……そっか」
少しの間を空けて、彼女はﾎﾟﾂﾘと尋ねて来たのでカラ松は笑みを浮かべながら答えると
彼女はゆっくり視線を落として、クロをｷﾞｭｯと胸に抱いた。
その横顔がほんのりと、赤く染まっているような気がして、カラ松は目を細めた。
「……というわけで、キティ。
これから何処に行こうか？」
照れくさいような空気が車内に流れ、カラ松はそれを吹き飛ばすように無駄に声を張ってAに尋ねた。
Aは一瞬カラ松の声のボリュームに驚いた様子だったが
すぐに無邪気な笑顔を浮かべると、ｷﾗｷﾗした目をしてカラ松を見遣った。
「私が決めていーの？！」
「勿論さ、キティ。何せキティが遠くに行きたいと言ったんだから。
行先さえ教えてくれれば、このクレバーなドライバー、松野カラ松が何処へでも連れて行くぜ？」
「何処でも…？！何処でもいいの？！本当に！？」
「ああ、そうさ！俺達の道標はキティさ」
「うわぁーい！！」
何処へでも連れて行くというカラ松の粋な計らいに、彼女は万歳をして身体全身で喜びを表した。
その後すぐに「んー、じゃあどうしよっかなぁ」「水族館もいいけど、遊園地も行きたいし」「あと�爛▲汽�サ�瓩箸�？」なんて子供のようにﾌﾞﾂﾌﾞﾂ考え初め
終いには「自由の女神見てみたい！」と海外規模の話にまで彼女の中で膨らんだ。
一応カラ松は「そこまで遠くは連れては行けないけどな」と言葉を付け足すと、彼女は一瞬不服そうにしたものの、素直にカラ松の言葉に頷いた。
そうしてまた楽しそうに考える彼女をバックミラー越しに見ながら、カラ松はどんどん事務所から遠くへと離れて行った。
この時カラ松はその内、Aと一緒に海外に逃げるのもありだなと密かに考えていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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