サファイアは行ってしまった ページ41
その後、カラ松はAを連れて車に乗り込み、事務所を後にした。
あの後も散々トド松に文句を言われたが、やはりチョロ松には逆らえないらしい。
結局ついて来る事はなく、カラ松はAと2人でドライブに出掛けた。
カラ松は運転を、Aは助手席に。
乗り込んでから暫くはお互い視線も合わせず、黙り込んだままで、彼女に至っては窓の外の流れる景色を眺めていた。
カラ松はそんな彼女に話し掛けようと何度も思ったが
窓に薄らと映る彼女の表情がらしくない暗い顔をしていたので、その度に声を掛けるのを躊躇っていた。
とりあえず安全運転を心掛け、カラ松はいつもの道を颯爽を走り抜けて行く。
「……ねぇ、カラ松」
「…！」
そうして事務所と少し距離が離れた時だった。
不意に彼女が呟くように、自分の名前を呼んだのは。
「…なんだ、A？」
「いや…いいのかな、って」
「何がだ？」
「その……私の言った事、ホントに実行しちゃったから……カラ松は、それでいいのかな、って……」
「……」
投げ掛けられた彼女の疑問。その間彼女の視線はこちらに向く事はなかった。
言い終わった後、彼女は膝に乗せていたぬいぐるみのクロの手をきゅっと軽く握り締めた。
カラ松はそれを聞いて1つ溜息を吐くと、丁度信号が赤になりカラ松はスピードを緩める。
速度を落とし、そうして他の車と並んで止まった車内でカラ松は先程の彼女とのやり取りを思い出していた。
−−−
「私と一緒に、何処か遠くに行こうよ」
彼女の口が出た言葉は、カラ松にとっては衝撃的で
それでいて彼にとっては、これ以上ない望みでもあった。
まさか彼女の口からそんな言葉が放たれるとは思っていなかったカラ松は一瞬目を見開かせたまま固まっていたが
やがてカラ松は(個室なのに)ｷｮﾛｷｮﾛと念の為誰にも聞かれていないか周りを確認してから、(個室なのに)何となく声をひそめた。
「ほ………本気、なのか…A？」
「うん、本気」
「冗談とかじゃない…よな？」
「冗談じゃないよ」
「ドッキリ企画とかじゃないよな…？
他の皆にも同じ事言ってるんじゃあない…よな？」
「……そんなに私の事、信用出来ない？」
「あぁあいや！そういう意味じゃない！」
少しいじけたような表情になった彼女にカラ松は首をﾌﾞﾝﾌﾞﾝ横に振って否定すると
再び声をひそめて、話を戻し単純な疑問を投げ掛けた。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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