サファイアは憤る ページ35
「……………ごめんなさい」
ﾎﾟﾂﾘ、彼女はふとそんな事を口にした。
どうして今そんな事を言うのか。
イマイチわからなかったカラ松は目を丸く見張り首を傾げる。
すると、うわ言のように彼女は続けた。
「お返事、しなくって……ごめんなさい。
ずっと、無視しちゃって………ごめんなさい」
「…ああ、なるほど。
いや、いいんだ。Aが謝る事じゃない。俺が勝手に来ただけだからな。
…それよりA、何があったのか良かったら…聞かせて、くれないか？」
「……………」
再び彼女に尋ねると、彼女は俯きまた黙ってしまう。
しかし話す気はあるのだろう。
先程と違い今度はそっと視線をカラ松に向けて、きゅっと抱いていたぬいぐるみのクロを抱き締めた。
そのままおもむろに口を開くと、彼女は語る。
「………………おそ松兄さんに、嫌いって言われた」
「……何？」
どんな内容なのかと身構えていたカラ松は思わず眉を顰める。
想像していたのとはまた違った問題で、しかしソレとはまた別に怒りが湧き上がる。
そんなカラ松の心情を知らない彼女は、更に強くぬいぐるみを抱き締めながら、ﾎﾟﾂﾘﾎﾟﾂﾘと話し続けた。
「嫌いって、大嫌いって。すごく…怖い顔で、言われたの。
おそ松兄さん、いつも優しくしてくれていたから……色々貰ったりとか、してたから……私、嫌われてるなんて…思って、なくって……わたしっ………」
話しているうちに思い出してしまったのだろう。
彼女の伏せられた瞳から、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛと涙が零れ始めた。
そんな彼女の話を聞いて、カラ松の胸が酷く痛んだ。
…と、同時にふつふつとおそ松に対する怒りが込み上げて来る。
カラ松は空いている方の手を握り締めて、ｷﾞﾘﾘと歯を軋ませた。
まさかおそ松がそんな事を言うヤツだとは夢にも思わなかった。
カラ松にとっておそ松は兄貴であり、頼れる相棒であり、親友であり、そして家族であり。
優しく、時に厳しく。おちゃらけでいるようで考えていて、子供っぽくて強い。
唯一無二のボスとしても認め、尊敬し、慕っていた。
時々…いや結構からかわれる時もある。
年齢のわりに幼い言動に嫌気が差し、喧嘩になる事もあった。
それでもカラ松はおそ松から離れようとはしなかった。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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