アメジストは猫と戯れる ページ31
一方その頃、事務所ではチョロ松が普段とはまるで別人のように丁寧な日本語を受話器相手に披露していた。
なんでもおそ松とAが探しに行った迷子猫が見つかったそうなので、その飼い主に連絡している所だ。
因みに見つけたのは一松で、いつも餌をやっている野良猫達に混ざっていたらしい。
「はい…はい…怪我もなく病気にかかっている様子も……はい、大丈夫です…はい、はい…
夕方頃ですね？わかりました。はい…それまでの間こちらで面倒を見ていますので…はい。
それでは、失礼します…」
簡潔丁寧に猫の状態を説明し、最後にその場でﾍﾟｺﾍﾟｺと頭を下げるとようやく受話器を元の場所へと戻した。
瞬間、いつもの顰め面に戻りチョロ松は1つ息を吐くと
早速一部始終を見ていた弟達からちょっかいをかけられた。
「相変わらずチョロ松兄さんは電話だと猫被りすぎ〜」
「トド松、お前にだけは言われたくない」
「つか電話で話してる時のチョロ松兄さんってなぁんかイモ臭いよねぇ〜
これぞチェリー！みたいな？」
「トド松、お前にだけは言われたくない」
「猫被ってる〜！！皮も被ってる〜〜！！」
「十四松、下はやめろ」
相変わらずの会話を一松はソファの上で件の飼い猫の頭を撫でながらぼんやりと眺め、そしてすぐに飼い猫へと視線を移した。
飼い猫なだけあり人に慣れているようで、一松にｺﾞﾛｺﾞﾛと喉を鳴らしながら甘え、彼の腕や体に頭を擦り付けて来る。
その要求に応えるように一松がその猫の頭を撫で、喉を掻くと猫は満足そうに一松の膝の上に寝転がった。
「でも良かったな、猫見つかって」
「まぁ、いつもよりは速い方だよね〜
酷い時は隣の隣の町まで行っちゃうんだもん…探すのが大変だよ」
「とりあえず、あの馬鹿共に連絡入れとくか…
あのクソ長男の事だから遊んでるかもしれないケド」
「いやいやいや、流石にAちゃん連れてるし行かないんじゃ…」
「いいや、寧ろ一緒に楽しんでるんじゃない？
アイツ、頭悪いし何も知らなさ過ぎるからさ」
「……………ちょっと物騒松兄さん、ありそうだからそういう事言うのやめてくれる？」
「物騒松」
一松の何気ない言葉にトド松は一瞬その場面を想像したのか、直後に真顔でそう告げた。
新たな珍妙な名前に一松は思わずオウム返ししてしまったが
その視線が何処か見下されているような気がして、一松は照れくさそうに目をそらし、更にトド松の顔を歪ませた。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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