彼女は反発する ページ20
「で、でもクロ！せめてもう少し先にしようよ…？ね？
あんまり急ぎ過ぎても失敗しちゃうかもしれないし……ね？」
Aは縋るようにクロを見つめ、こてんと首を傾げてそう尋ねてみる。
そんなAにクロはまた溜息を吐き、呆れたような声で答えた。
『ダメよA。善は急げって言うもの。
それにあんまり伸ばして予定が狂っちゃうのも嫌』
「でもっ…！」
『それにA、アナタ前におそ松に告げ口しようとしたでしょう？』
「っ…」
『まぁ何とか言われずに済んだみたいだけれど…
またそういう事があるって思うとこっちはﾋﾔﾋﾔしてるんだからね』
「……」
刺すような鋭い言い方にAは思わず黙り込む。
事実、前に寝ているおそ松にクロの企みを告げようとしたのだが、おそ松は起きていたらしく
タイミング悪く起き上がってしまったので言えなかった。
クロはソレを最も恐れていた。
だからこそ急かしているのだ。
『ったく…アナタの為に考えてるって言うのに……私よりあの兄弟達を取るの？』
「そっ、そういう事じゃないよ！クロはずっとずーっと前から私のお友達だし、家族だし、先生だし…大好きだもん！
……でも、私、クロと同じぐらい皆も好きだから」
『あんな怪しさ満点のサル共が？』
「怪しくなんてないよ！クロはそうやってすぐ疑うんだから！」
『疑っているのはアナタも同じ。でなきゃ私は存在していないの』
「私はクロみたいに疑ってなんかないもん！」
『疑ってるから私も疑ってるんでしょう？』
珍しくムキになって声を荒らげるA。
しかしクロは怖気付く事もなく、淡々と事実を告げた。
しかしその後もAは「違うもん」だとか「私は皆を疑ってなんか」だとかﾌﾞﾂﾌﾞﾂ言い始め、クロは今日何度目かわからない溜息を吐いた。
このままじゃ拉致が明かない。そう考えたのだろう。
ふとクロがこんな事を言い出した。
『＿＿＿なら、試してみる？』
「えっ…？」
直後にAはクロを抱いていた両手を首に移動させ、目を丸く見開く。
しかしこれはAの意思でやっているのではない。
「クロ……？」
両手の指を自身の首に絡ませ、Aの表情が微かに引き攣る。
膝の上のぬいぐるみに視線を向かわせ、Aは呼び掛けると、彼女の頭の中でクロがｸｽﾘと笑う声が聞こえた。
『本当の本当に、なーんにもやらないのか』
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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