兄弟は譲らない ページ12
更にその後ろに一松も続き、ｿﾞﾛｿﾞﾛと兄弟達がやって来る。
おそ松に限っては「よーかん！よーかん！！」とまるで子供のように喜び、嬉しそうにいつもの所に座った。
それを見たカラ松はAとおそ松を交互に見遣って頭を抱えたが
対してAはほんのり頬を染めて、途端に居づらそうにそわそわし始めた。
兄弟らはそれぞれ決まった席について、トド松は机の上にトレイごと置かれただけで配られていないお茶をそれぞれの定位置に置き始めた。
だがトド松はAにだけ手渡しで渡すと、Aはソレを受け取って「ありがとう」とぎこちなく微笑んだ。
「熱いから気を付けてね？」
「う、うん…」
「トド松ー！俺にもお茶ちょーだい！お茶ー！」
「うるっさいなぁもう！ほら！」
「サンキュー！」
最後にトド松はおそ松の前にもお茶を置くと、丁度チョロ松が給湯室から戻って来た。
その手には7等分にされた羊羹を持って。
「はい、どうぞ。切ったから好きなの取って」
チョロ松は7等分にされた羊羹を机の上に置くと、それぞれに爪楊枝を配布。
全員に行き渡った所で兄弟らは一斉に手を伸ばすと、全員右から2番目の羊羹に爪楊枝を突き刺した。
これには兄弟らは顔を見合わせ、そうして睨むようにお互いを見遣る。
その間も決してその羊羹は取られないように、楊枝は刺したまま争い始めた。
「おいお前ら、何同じ羊羹選んでんだよ、譲れよ」
「ﾌｯ…それは幾ら兄貴の命令だからって従えないな。右から2番目は即ち6つ子の次男である俺に相応しい…」
「だったら左から2番目取れやクソ松」
「とゆーかお前らなんで同じの選んでんだよホント。全部同じ大きさに切ったんだから別の選べよな」
「そーいうチョロ松兄さんこそ譲ったらどーなの？
ていうか全っ然同じじゃないし！よく見たら地味に大きさ違うし！」
「おっきいの食べたーーい！！」
「7等分に切るのって難しいんだよ？仕方ないじゃん、多少大きさに誤差があってもさ？
つか切ったの俺だよ？1番大きいのは俺に譲ってくれたりしないの？え？しないのお前ら？？」
「開き直ってんじゃねーぞシコ松」
「だァれがシコ松だっつったゴラ！？」
互いに一歩も譲らない下らない争い。
その様子を見ているだけのAは爪楊枝を持ったままﾎﾟｶﾝとした顔をしていたが、その光景はもう何度も見てきたので、深く関わろうとはせず
全員が取り終わったら選ぼうと、Aは1人兄弟達の後ろでお茶を啜った。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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