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「みんなが幸せになれる未来をね、僕は見据えているつもりだよ。この物語は、きっとハッピーエンドになる」
ハッピーエンド……？
「さて、まず前提の話をしよう。賢い君たちは理解してると思うけど、昨日のドリフェスで君たちが勝てたのは奇跡だ、『まぐれ』だよ。不意打ちであったこと、『UNDEAD』や『2wink』やそこに居る『朔間Aちゃん』などの協力、転校生ちゃんの特別性、僕の不在……」
『…………』
「などなどの要因が重なって運良く掴んだ、薄氷を踏みながらの勝利だった。真っ向から、本気で僕らが君たちと戦ったら、君たちに勝機はない。リベンジに燃える敬人の『紅月』や、僕の『fine』なら、君たちをかんたんに捻り潰せる」
まずい、目をつけられた
「とはいえ、ね。君たちはこの夢ノ咲学院に咲いた花だ、咲くはずがない花だった。奇跡そのものだ、尊い存在だと思っているよ。踏みつぶしてしまうのは、あまりにも惜しい。だから、僕は提案しよう。そのために今日、君たちを呼びだしたんだよ。話は最後まで聞きなさい。これは、君たちにとっても『チャンス』なんだから」
『チャンス……？』
「『Trickstar』には、可哀想だけど解散してもらう。けれどその構成メンバーはすべて、もっと有力な『ユニット』に移籍してもらおうと思っている」
移籍！？
「電撃移籍だ。そうだね……氷鷹北斗くん、明星スバルくん。君たちには『Trickstar』なんて寄せ集めの、どこの馬の骨かもわからない『ユニット』なんてもったいない。僕の、『fine』に所属してもらおう。この夢ノ咲学院で、最強の『ユニット』にね。今日、君たちを呼びだしたのは制裁のためじゃない、勧誘のためなんだよ？僕の身内になりなさい。そして、未来の『fine』を、夢ノ咲学院を、アイドル業界を担う逸材となってほしい」
2人の才能を見抜いたってこと？でも、それだけじゃない……先の未来まで見据えて言ってる……この人には一体どこまで見えてるの……？
「君たちには資質がある、光輝く才能がある。それは僕の敵としてではなく、味方としておおきく咲き誇るべき尊い萌芽だ。芽生えたばかりのそれを、僕に踏みつぶさせないでほしい。愛でさせてほしい、育てさせてほしいんだ。これはお願いだよ、この天祥院英智が頭をさげて頼もう。君たちが欲しい、喉から手がでるほどにね」
……怖い。この人怖い
全部見透かされてるような……そう、零お兄ちゃんみたい。でも、零お兄ちゃんよりもとても残酷な選択をしてる……
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
