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「可憐な花を、将来有望な若いアイドルを収穫する日を、僕はずっと待ってたんだ。もちろん……氷鷹くんと明星くんだけでなく、他のふたりのメンバーについても考えているからね。どうか、安心してほしい。まず衣更真緒くんは、彼を高く評価している敬人の『紅月』に所属してもらう。遊木真くんは、僕の知己が所属している『Knights』が『欲しい』と手を挙げてくれている」
『え、Knights……？』
「瀬名泉くん……彼が、強く遊木くんの移籍を所望しているようだね」
泉先輩……どうしても自分の手元に真先輩をおいておきたいんだ……
「『Knights』は生徒会の勢力に属さないなかでは最大級の、有力な『ユニット』だ。落ちこぼれの劣等生という評価の遊木くんには、この移籍は、勧誘はまたとないチャンスだよね？」
『っ、真先輩は落ちこぼれではありません！！』
「Aちゃん……」
「やれやれ、話を遮らないでくれるかな？君の番はまだだよ」
私の番って何……まさか、私もどっかに属せってこと？可能性としてはどこかのユニット専属プロデューサーになるぐらいしか思いつかないけど……
「話を戻そう。チャンスなのは君たち全員に対して言えることだよ。このまま擦りきれて跡形も残らないぐらいに、僕たち生徒会とがむしゃらに戦ってみるかい？地獄の、消耗戦がしたいのかい？最初のうちは、自分たちが『たいしたこと』をしていると勘違いして、楽しめるかもしれないね。でも、それは所詮はごっこ遊びだ。革命ごっこだよ。やがて気づくよ、そんなことには何の意味もないって。僕たちは同じ夢ノ咲学院の仲間じゃないか、争いあうのは哀しいことだよ」
どの口が言うのよ、それ
「生産的ではないよ、未来について考えなさい。これは君たちにとって決して敗北なんかじゃない、魂を売り渡す行為なんかじゃないんだ。君たちは勝利したんだ。僕の提案は、そんな君たちに対しての報酬だよ。君たちの才能は、僕の手元でこそ輝く。そう確信しているよ、だから『うん』と言ってほしい。僕の手をとってほしい、ともに歩んでいこう。君たちの夢を、僕の夢に取りこんであげる。その夢はきっと最大限の輝きを放つよ、この世界のすべてを明るく照らす希望になる。君たちはシンデレラだ、成功の階段を高く高く駆けあがれる」
先輩達は……英智先輩の提案を受け入れるのかな？
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
