107話 停電中の居場所 ページ9
辺古山「花村の声が…大広間で上がっている？」
狛枝「これって、花村クンが停電の時に大広間にいた事を証明しているように思えるんだけど…」
花村「そ、そうだ！そうなんだよっ！！」
小泉「でも、花村って停電の瞬間は厨房にいたんでしょ？
それが…どうして大広間にいたのよ？」
花村「て、てっきり厨房だけが停電になったのかと思って、慌てて飛び出しちゃってさ…もちろん、廊下も真っ暗だったけど…みんなの声を頼りになんとか壁伝いに移動したんだ。」
弐大「まぁ、厨房から大広間であれば、壁伝いに移動できない距離ではないが…」
終里「…なーんかウソくせーなぁ！」
花村「確か、終里さんは人の汗を舐めるとその人がウソをついてるかわかるんだったね…だったら、ぼくを舐めてみればいいさ！」
終里「嫌だよ。脂っこそうだし。」
澪田「けど、輝々ちゃんの声は確かに大広間で聞こえてたよ！
唯吹のキャラ設定に懸けて断言するっす！」
狛枝「そう、花村クンは倉庫じゃなく大広間にいたんだよ。
つまり…彼が犯人だとは考えられないんだ。」
日向「…いや、そうはならないはずだ。」
花村「な、なんで…だよ……なんでそんな風に、ぼくに言いがかりばっかりつけてくるんだよぉ！」
日向「別に花村を責めたい訳じゃない…俺はただ…」
狛枝「日向クン、もっと胸を張っていいよ。
キミは自分の信じた希望に進んでいるだけなんだから…」
日向「…」
狛枝「さぁ、日向クン…もっとキミの希望を見せてよ。
その希望は花村クンの希望を打ち砕けるのかな？」
(日向くんの希望なら大丈夫…花村くんなんかの希望に負けたりしない！)
狛枝「まずは改めて聞くけど…花村クンは停電の時に倉庫に行ったの？」
花村「そ、倉庫になんて行ってる訳ないじゃん！
その時、ぼくは別の場所にいたんだ！」
澪田「輝々ちゃんの声なら唯吹が聞いたっす！
顔に似合わず美声でした！」
小泉「録音された声とかじゃないの？」
澪田「いんや、生声だったっすよ！」
花村「ね、今の証言がある限りは…ぼくが大広間にいた事実は揺るがないよ！」
日向「俺達が大広間で花村の声を聞いたからって、『大広間にいた』事の証明にはならないはずだ。」
花村「え？ど、どうして…？」
日向「大広間の床を思い出してみろよ。
あそこの床は隙間だらけだっただろ…？
だから、床下から上がった声だったとしても、大広間の声と同じように聞こえたはずなんだ。」
小白「さすが日向くんの希望だね！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：如月 | 作成日時：2019年3月26日 1時
