123話 突然の来訪者 ページ27
小白「そうだ。
計画の事なんだけど…記憶がない君に詳しくは言えないけど、守ってもらいたい条件が2つ。」
狛枝「ボクにできる事なら…なんでも言ってよ。」
小白「うん…それでねまず1つ目は、日向くんを最後まで生き延びらせる事。」
狛枝「それって…日向クンがまだ思い出せていない才能について関係があるのかな？」
小白「…まだそれは言えない。
2つ目は狛枝くんも生き延びてほしい。
君の才能や頭脳はぼくにとって必要だよ。」
狛枝「…それは約束できるかわからないよ。」
小白「お願い！きっと生き延びてね？
ぼくの前からいなくならないでね？」
狛枝「…」
ぼく達の間にはしばらくの沈黙が続いた。
しかし、それはある人物の声によって終わりを告げた。
左右田「オメーら、こんなところにいやがった。」
小白「左右田くんに…弐大くん…？」
狛枝「どうしたの、2人とも？」
左右田「オメーらは危険過ぎるんだよ！？」
弐大「ワシは本当はこんな事したくないんじゃが…お前さんらをこのまま放置しておく訳にはいかんからのぉ…」
小白「だから、ぼくらを生かしておけないって？」
(人間はやっぱり醜いね。
理解し得ない事があると…拒絶する…)
狛枝「まぁ…ボクの事、理解できないのは仕方ないけど…ボクらは昔から、こういう風に教わってきたはずだよ。
直接的に言葉で言われなくたって、ボクらを取り巻く世界を見ればわかるよね。
テレビやネットや新聞から垂れ流される”希望溢れるメッセージ”がそう言ってるもん…勝てない人間も…頑張らない人間も…頑張っても勝てない人間も……等しく無価値でクズなんだって。
価値ある人間とそうでない人間って、生まれた瞬間から明確にわかれているんだ。
ダメな人間はどれだけ努力したって、価値のある人間になれっこない…『努力が成功を生む』なんて…とんでもない誤解だよ。
世界がそんなに簡単な訳ないもん。
小型犬がどんなに頑張ったところで、大型犬にはなれないし…ペンギンがどんなに頑張ったところで、空を飛べるようにはならないんだ…つまり…ダメな人間って言うのは、何をやってもダメなんだよ。
才能ある人間は”なる”もんじゃない…最初からそれだけの器を持って生まれてくるものなんだ。
そう…キミ達のようにね。
だからこそボクはみんなを尊敬しているんだよ。
あ、言っておくけど、これは憧れなんかとは違うからね。」
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作者名：如月 | 作成日時：2019年3月26日 1時
