100話 刺した場所 ページ2
狛枝「それに停電中にナイフを取るのさえ大変なのに、テーブルの下でテーブルクロスを被って人を刺すのは…ボクレベルの人間にはもちろん…さすがのキミ達にも無理なんじゃないかな？」
花村「だ、だったら…どういう事…？」
七海「………ひょっとして…犯人が十神くんを刺したのは、テーブルの下じゃなかったのかも。」
田中「いや、殺害場所がテーブルの下だというのは、間違いなかったはずだ。」
罪木「テーブルクロスの内側に血が飛び散ってたし…あそこで十神さんが殺されたのは間違いないですよね。」
小白「白夜がテーブルの下で殺されたからといって刺した場所も同じテーブルの下とは限らない…そうだよね、七海さん？」
七海「…うん。」
澪田「ずばり意味不明っす！」
狛枝「あれ、日向クン…何か思い付きそうな顔をしてるね？」
花村「ホ、ホントに！？
あんな…なぞなぞみたいな言葉で！？」
日向「思い付きそうな気はするんだけど…でも…まだ漠然としか…」
七海「テーブルの下だけどテーブルの下じゃない場所だよ。
可能性があるとしたらそれしかないもん！
そこから先は、余計な先入観を捨てて、その答えを選べばいいだけ…だと思うよ。」
そして、日向くんはしばらく考えた後、何か思い付いたように言った。
日向「そうだ…犯人は床下から、十神を刺したんじゃないか！？」
小泉「ゆ、床下からぁ！？」
日向「旧館の床ってかなり隙間だらけだったし、テーブルの下には絨毯が敷かれてなかったんだ。
あの隙間から凶器を通せば…十神を刺し殺す事だってできたはずだ。」
狛枝「だとすると、犯人は旧館の床下に入ったって事だよね？
どこから？どうやって？」
小白「うぷぷ…どこからだろうねぇ…」
日向「それは俺にもわからない…ただ、それを知ってるヤツなら心当たりはあるんだ。
なぁ、田中…お前は大広間でイヤリングを落としてたよな？」
田中「…魔犬のイヤリングの事か？」
日向「そのイヤリングって…」
田中「…魔犬のイヤリングの事だな？」
日向「その魔犬のイヤリングって…床下に落ちたんだよな？」
田中「クックック…もう少しで、あの館ごとケシズミにするところだったぞ…だが、古の言い伝え通りだ！
魔犬のイヤリングは所有者である俺様の元へと還った！」
日向「そのイヤリングって…今、お前の耳に付いてるヤツでいいんだよな？」
花村「えっ？じゃあもしかして！？」
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作者名：如月 | 作成日時：2019年3月26日 1時
