真実21 ページ22
桃李は言葉を繋げる。
「水希に嘘をつかれたのはちょっぴり…ううん、すごく悲しかった。
けど、だからといって、水希がやったことが嘘になる訳じゃないでしょ……？」
声は震えていた。
「坊っちゃまの仰る通りです。私たちも話を大きくしすぎたせいで、有川さまや谷村さまのお気持ちを聞くタイミングを失っていたようです。」
主を支えるように伏見弓弦が言う。
場は落ち着きを取り戻したようだった。
「…そういえば、私の家に来たのって誰なの…？」
「俺とA。突然家に行くって言い出すからビックリしたけど……今ならなんで行ったのか分かるよ」
翠が肩を竦めて言った。
「……あれ、」
あんずが、辺りを見渡した。
「そういえば、Aちゃんは…？」
当事者のAの姿がない。
「は、もしかしてあいつ、今さらどっかいったの？」
泉が動揺を隠せないように言った。
「Aさんなら屋上へ行きましたよ☆私の鳩が教えてくれました☆」
「はぁ！？」
呑気なことだ。バラを撒き散らしていた渉だが、そういえば、とマジックをするのをやめた。
「Aさん、スマホを見て神妙な顔をしていましたねぇ…。たしか、画面には『父』と書かれていたはず…」
瞬間、翠と千秋の顔つきが変わった。
Aが荒れた日、2人は琉陽から何があったのか聞いていた。そのときの記憶が蘇る。
「……Aが、わざわざ谷村さんの家まで行ったのは、彼女にも同じ心境があるからだ。」
翠がぽつりと呟いた。
「Aは、幼いときから兄妹と差をつけられ、父親から散々な扱いを受けてた。」
「不運にも、琉陽さんも狂って、Aは仮面を被るようになった。」
この場にいる多くが知らなかった事実が明らかになっていく。ひとつ、ひとつ、ピースが埋まる。
「天才と謳われるのは、彼女の膨大な努力のおかげ。その努力は、辺り……特に身内に認めてもらうためで、今回"また"、彼女の努力が踏みにじられた、ら、……」
「狂う。」
月永レオの回答する声は鋭かった。翠は歯を食いしばり、教室から出ていく。
「ちょっと！翠くん！？」
ゆうたや宙がその後ろを追った。
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星宮 その(プロフ) - ゆのんさん» 温かいコメントありがとうございます。私自身、話の流れやオチに様々な葛藤があり、流されることもありましたがそう言ってくださりとても嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございました。またお立ち寄りくださると幸いです🍀 (3月31日 21時) (
レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 二回目のコメント失礼します。ここまで面白い作品の評価が殿堂入りじゃないのかが不思議でなりません！とても心地よく読ませていただきました。この作品を書いて下さりありがとうございました。 (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - は〜…………一気に読んでしまいました。私は時々嫌われ系の夢小説を無性に読みたくなり、読みに来るのですが、ここまでオチに納得したのは初めてです。伏線の回収や、キャラの設定、どれもとても良かったです！面白すぎて、いつの間にか作品を一気に読んでいました！ (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
星宮 その(プロフ) - Not useさん» コメントありがとうございます🤍そう言っていただけて本当に嬉しいです。また気が向いたときに立ち寄ってくださると幸いです🍀改めて、最後までお付き合いくださりありがとうございました。 (2022年12月24日 12時) (レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
Not use(プロフ) - 完結お疲れ様でした。とても好きな作品の１つです。 (2022年12月23日 13時) (レス) @page27 id: e53561566d (このIDを非表示/違反報告)
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