ヒキニートメモリー３ ページ36
「で……俺の妹が一緒にいるの見たから……」
紫色のパーカーを着た奴――キドは小さく頷きながら「そうか……」とこぼした。
「それで……あいつはなんだ？」
ドアの前に誰か立っている。
キドは「ああ…あいつは……」と紹介に困っている様子を見せた後、「…バカだ」という言葉で紹介した。
その女は怒ることもせず、さっきからニコニコと笑ってこちらを見ている。
なんか……気味わりぃな……。
「それで……どうすんだ？妹がこの団に入るって……」
キドは「ああ、そのことについてなら、あいつらが帰ってきてから話すぞ」と話し方まで男風に言った。
「あと……できればでいいんだが、お前もこの団に入ってくれないか？」
「……なんでだよ」
「まぁ……なんだ、あいつの保護者ってことで……」
口を開いた時に「ブブッ…」とジャージに入ったスマホが鳴った。
液晶を見れば、エネが「絶対入団!!」と達筆で書かれた旗を振りながら走り回っていた。
まぁ……いいけどよ。
――それであいつが少しでも救われるなら。
「それで、どんなんだ？」
キドがしきりに体を動かしながら訊いてくる。
こいつはあれか、あのじっとしていられないとかいう……何だったか…。
「別にいいけどよ……」
言った瞬間にキドは「よっしゃぁ！」と叫びそうなほどにガッツポーズをきめた。
「な……なんだよ…」
キドが我に返った瞬間に、「い、いや！さっきのは……その…格闘技の練習だ」と嘘見え見えな言い訳を言って顔を背けた。
後ろの方でガチャリとドアを開ける音がしたのでそちらを向いた後、再びキドの方を向くと、キドの姿が消失していた。
四方八方、360度見回して確認するが、怪しいオカルト系のものと、ドアの前に立つ金髪の青年の姿しか見受けられなかった。
金髪の青年………、はぁ？
その顔をよく見ると、さっき見た少女……か、よく顔が似ている。
双子か何かか……？と思っていると、その青年が口を開いた。
「えぇと…、君は新入団員かな？」
金髪の青年はニコニコと笑いながら話しかけてくる。
……ますますあの少女と似ている…、と思った。
「まぁ……『仮』にだがな……、妹の様子見て、俺は抜ける」
青年は「へぇ〜」という顔をしながら、にこにこと笑っている。
「残念だが…、お前はもう抜けれない」
背後から突然声がし、振り返るとキドが立っていた。
――その日、８月13日、俺は強制的にメカクシ団Ｎｏ.７となった。
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豆腐ちゃん - あさんそれは誰に向けてですか？ (2023年3月22日 19時) (
レス) @page19 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
あ - し、ね (2017年6月27日 14時) (レス) id: 350e8504f6 (このIDを非表示/違反報告)
矢野 ユリ - 頑張ってください。イラスト描こうかなぁと思うけど、やり方わかんないです。 (2017年3月31日 7時) (レス) id: 053764a0db (このIDを非表示/違反報告)
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