【黒バス】最愛の人

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赤)ふぅ…



俺は近くの自動販売機で
ブラックコーヒーを買い

それを片手にとある公園にやって来た
そして

公園にあるベンチに腰を下ろす




この公園は

俺にとって思い出深い場所



ここは帝光中から歩いて間もない所にあり
中学時代、Aとよく

このベンチに座って
色んな事を話した



…好きな食べ物とか

家族の事、部活や学校の事も話した




そう言えば、
Aはやたら甘い物が好きだったな

昼ご飯を食べた直後には
いつもの様に甘い物を口に運ぶ

ワッフルにドーナツ、チョコレート…
毎日違う物を食べていたな



美味しそうに食事を摂る姿は
今でも忘れられない


それに…あの手作り弁当の味


以前、俺はAに
《弁当を俺に作ってくれ》なんてお願いをした事があった


Aは一瞬驚く素振りを見せたが
快く了承してくれた

翌日、俺に手渡されたのは
手作り感満載の美味しそうな弁当


ジューシーな鶏の唐揚げ
可愛いタコさんウィンナー

中の具全てが異なるおにぎり

それに、A好みの味付けをされた
ふわっふわの卵焼き



美味しかった
とても愛情を感じた


また…食べたい

Aの料理を食べたい衝動と
この何とも言えない気持ちを抑える為





手に持っていた

缶コーヒーを一気に飲み干し
近くにあったゴミ箱に捨てた





赤)…ダメだ




いつまで経っても忘れられない
こんなに月日が経っても連絡すら取れないのだから、俺は…

俺はAに捨てられたのかもしれない



Aはそんな事をする人間じゃないのは
俺が1番知っている


しかし、…
ありえないとは言い切れない

俺がAの気に触る事を
無意識にしてしまったのかも知れないし







俺の悪い癖


こんな事を考えていても
Aは帰ってくるはずないのに




そんな事を考えながら
顔を片手で覆っていると…






？)ん〜



何て言う鼻歌が聞こえた
何だか懐かしい…そんな歌


俺の耳を擽る声





その鼻歌と
足音が俺にどんどん近付いてくる


心地いい
何だか…知ってる、この感じを




以前…体験した事のある様な何か





すると







？)あの、隣座っても大丈夫ですか？


赤)…どうぞ




顔を覆ってた手を退け

目を開いて横に目をやると







？)ありがとうございます





一瞬、全てが止まった

そんな感じがした


俺は瞬きをし
横にいる人を直視する

目が離せない

目を閉ざせない



俺は声を振り絞って

言った







赤)Aか…？

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