【黒バス】最愛の人

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赤司はその様子を眺め
薄く笑みを浮かべる

そして濃度の高いお酒を勢いよく体に流し込み



赤)…今日はもう遅いお開きとしようか

キセキの世代にそう放った






そんな彼を見て
彼等は安堵の息を吐く

3年前より断然調子を取り戻した赤司
…しかし

今でも調子の悪い日は多々ある


口を開かず
何処かを見つめ…

勿論、怒る時も少なくない



そして彼の怒りがピークに達する時

それは《告白》されている時


この見た目に
大学では温厚かつ柔らかい性格

女子大生の人気も
モデルの黄瀬涼太に並ぶほど


キセキの世代はとある昼
赤司を探しに大学内を歩き回っていた時



赤)俺の前で息をする事すら許さない


女)ひっ！




そんな言葉を尻餅をつく女に投げ

横で鋏を構える


瞬時に《本気だ》と感じた



最愛のAがいるのに
告白なんてされてたまるか、何ていう

赤司なりの考えなんだろう




今でも赤司に告白が耐えないが

それを赤司の耳に入らぬよう
裏で動くのもキセキの世代の役目






赤)今日も楽しい夜だった、ありがとう


黒)それなら良かったです



物腰の柔らかい彼を見るだけで
彼等は安心する

反面に

悲しむ彼を見るのは
物凄く心が痛くなる
…昔の彼を知っているからかもしれないが



桃)うー、何かお酒まわってきた…


青)おめーが飲みすぎなんだよ
この豪酒やろーが


桃)うわ、酷い！！
やだ、このガングロ！テツく〜ん一緒に帰ろ！



と、ほのかにアルコールが香る彼女が
黒子の腕に絡み付く

にも関わらず黒子は表情を変えないまま


黒)大丈夫ですか？


何て、言う始末
そんな黒子の優しさに桃井は再びときめく



桃)テツ君！！


黄)あー黒子っちが死にそーっスよ！！


桃)えっ？



桃井の黒子を抱き締め手が
徐々に強まり黒子は半死にかけ状態



桃)わわわわ！！
テツ君ごめんね！


黒)…大丈夫です


青)言わんこっちゃねー


緑)お前達、騒ぎ過ぎたのだよ！


紫)いや、ミドチンが1番うるせーし


緑)なっ？！


赤)クス




赤司が笑みを零した




青)おい、赤司どーしたんだよ
いきなり笑って


赤)すまない
どうもお前達を見ていると心が和む
お前達は何も変わらないね



その言葉を聞いて
全員の口元が緩んだ



そして





赤)もう遅い
俺は先に失礼するよ


と、背中を向けて歩き出す赤司



黒)赤司君！


赤)なんだい？


黒)1人で大丈夫ですか？


赤)大丈夫さ
俺はそんな子供じゃない




と、暗闇の中に消えていった

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