【マフィア松】感情無キ絡繰人形 (ページ5)

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松野ファミリーのアジトを目指し駆け抜ける。

当然、辺りは闇に包まれていた。

到着して目にしたのは、予想を遥かに超える建物。

そびえ立つ建物はとても小規模のグループのアジトとは思えない。

とすると、あの噂は本当だったのだろうか？

まぁそんな事は気にしない。少人数だろうと大人数だろうと松野ファミリーを始末する事に変わりは

無いのだから。人数が多かったとしてもどうにかなるだろう。

さて、此処に来たのは良いがまずどうやって侵入するか。

この門を越える事は簡単だ。

しかし其処から中に入るにはどうすれば良いかが問題。

と言うより中に入ってからも大問題。

ルートが分からないのだ。

つまり上に行くまでに何処かも分からずに迷っていると、始末する前に自分が殺られてしまうかもし

れないという事。

何時もなら大体のルートは把握している。

だが松野ファミリーとなるとそうもいかない。

腕利きの情報屋でさえ知らない情報を果たして私が知っているだろうか？

……

進もう。逃げる事は許されない。

マスターの命令を果たす為に、松野ファミリーを始末するのだ。

時間が惜しい。早く進もう。

まずは窓を割って中に入らなければいけない。

音が出てしまうのは承知の上だ。仕方が無い。

取り敢えず手持ちの銃で割ってしまおう。

グリップを片手で握り、引き金を引く。

ガラスは耳を塞ぐような音と共に1点を中心に亀裂を広げ、そして割れた。

窓淵に脚を掛け、自身の体の柔らかさを使い、床へと足をつけた。

背中の鞘から刀を取り出し、辺りを警戒しながら立ち上がる。

耳をすまして神経を統一する。

おそらく此処の構成員が様子を見に来るだろう。

その場で刀を構える。だが、いくら待っても人の気配を感じられる事は無かった。

可笑しい。何故誰も来ないのだろうか。

……歩いていれば遭遇するだろう。その時に一掃してしまえばいい。

私は真っ直ぐに続く廊下の先を進む事にした。

彼女は辺りに警戒し過ぎたのか。

近くに設置されていた小型カメラの映像を、何者かによって見られている事に気付かなかった。

？「何処行くんだろー？まぁでも、何処で何しようと全部こっちはお見通しなんだよねー…」