【マフィア松】感情無キ絡繰人形 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:22,635 hit

14 ページ16

ｶﾗﾝ…ｶﾗﾝ…

目線の先には、銃弾によって貫かれた暁月。

その近くには、暁月から滲み出す血によって赤く染まった不気味な仮面が転がっている。

何故、暁月は俺を突き飛ばした。

誰もが分かる事だ。銃で撃たれてしまえば、簡単に死んでしまうと。

死に対する"恐怖"が無いない生き物なんて居ない。

なのにどうして

緑「兄さん！」

緑「大丈夫！？何処も問題ないよね！？」

赤「…チョロ松。俺は大丈夫だ」

赤「十四松とカラ松の状態を確認しろ。トド松、爆破の用意は出来てるよな」

「完璧だよ、おそ松兄さん」

そう言って自身のスマホを口に当て、いつもの様にあざとく笑う。

トド松。と声を出さず口だけで言う。

が、すぐに目線をずらし2m程先に床に伏して血を流し続けている暁月に近寄る。

チ「…ねぇ、何で近付いてるの？何するつもり？助けるなんて、言わないよね？」

お「…そうだって言ったら？」

チ「その考えは間違ってるよ。絶対に後悔する。それに今まで敵を救う事なんて」

お「無かったな。でも、俺がこうしてお前と会話を出来てるのは此奴のおかげだ」

「信用した訳じゃない。あくまでその恩を返すだけ。処置が終われば情報でも吐かせればいい」

そうだろ？と満面の笑みでこちらを向く兄に対し、チョロ松は言葉を飲み込む。

チ「…Si,boss」

弟が鎮まったのを確認した後、おそ松は暁月の方を振り返る。

まずは処置が優先。

意識が戻ってある程度の回復後、チョロ松にも言った通り知っている事の情報を吐いてもらう。

それにしても、中々の興味のあるものを見つけた。

横抱きしながら、白い顔の暁月を見つめる。

これから面白くなりそうだ。

そんな事を思いながら、松野ファミリー一同は乗ってきた車に移動し、アジトを目指した。