【ぬらりひょんの孫】糸繰草 弐【初代】

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「さぁな。采配はあいつに任しとるからの。
ただリクオが下した判断に従わねぇやつもおるじゃろうからそれをどうするのかが見物じゃ。
抑えられなければそれまでの男だということ」



あいつはどうするのかのぉ、と悪い顔で茶を飲む



「…あの子なら上手くやるだろう」

「だとええがの。
一応リクオを三代目にと長年推してきたのはワシじゃ」

「リクオならちゃんとお前の期待に応えてくれる子だ」

「そうかい」



とはいえぬらりひょんは孫であるリクオを相当可愛がっているんだろう
鯉伴もぬらりひょんもリクオへの期待が大きい
それを表に出さないところが二人のいいところではあるが



「それで、お前さんはいつ家に来んじゃ？」

「いかんとさっき言ったろう。もう忘れたのか年寄り」

「相変わらず悪口が直球じゃな」



ここまで面と向かって悪口言われることは中々ない



「………ぬらりひょん」

「ん？」

「近いうちに、恐らく何かあるぞ」

「…なんじゃ、その大雑把な忠告は」



ついていた肘を思わずズリッとテーブルから落としたぬらりひょん



「見聞色の覇気が訴えてきているのだから無視はできんだろう。
私の見聞色は未来は見えないがある程度何が起きる時は胸騒ぎがするのを昔から知っておろうがお前は」

「にしたって大雑把な忠告じゃろ、今のは」



そんなことを言われてもはっきり何が起こるのか分からないのだからアバウトな忠告しかできないのだ



「狒々のことにも関わってくるのかもしれんな」

「狒々？なんでそこで狒々が出てくるんじゃ？」



私はこの前のことをぬらりひょんにも話した
狒々の身になにか起こる気がして私の生み出した治癒持ちの蛇を与えていることも包み隠さず



「ほぉ、そんなことしとったのかお前。
というか治癒の能力待ちの蛇なんか生み出せんのか」

「努力の結晶だ。
あの力が出てから数年試行錯誤したものだ」



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