第五十七話「普通」 ページ8
出口が無いわけではないと言った。
だけど、そんなのほとんど可能性ゼロじゃ……。
「一松兄さんは、ボクたちにどうしてほしいの」
一松の、意思…?
「…おれは……逃げてほしいかな」
「……そっか。行こうA」
「え、うん」
また、走り出して微かに聞こえた声。
「十四松にだけは殺されないで…」
懇願とも呼べる。
私には、まだこのファミリーの事は分からない。
だけど、一松はみんなは悪い人じゃないんだと思う。
あぁ、もっと違う出会い方をしてれば良かったのに。
普通の家に生まれたかった。
* * *
「母さん!父さん!!ねぇ、なんで返事しないんだよ!」
血まみれになった両親を何度も揺すった。
「おい、おそ松!何してたんだよ!お前だけ縛られてないじゃないか!」
長男を何度も攻めた。
僕は、許せなかった。
両親を殺した奴らが。
だけどどうにも出来なくって、おそ松を攻めたんだ。
「ごめん、ごめんなさい。俺が殺しました。俺が、弱くって……ごめんなさい…」
おそ松兄さんを攻めたのは僕だけだった。
だからなのか、今まで押し込めてた反省の言葉をおそ松兄さんは僕に言ったんだ。
こんな言葉を言わせてしまった自分が情けなかった。
やっぱり全部あいつらのせいだ。
僕がこんな人間になったのは全部あいつらのせい。
僕は悪くない。
あいつらも、あいつらの仲間も全部殺せば、きっとやっと僕は普通になれる気がするんだ。
こんな黒い心を持たずに済むと思うんだ。
▽作者▽
松野チョロ松
普通じゃない、汚い自分を嫌っている。
「こんな自分を作り出したのは、如月ファミリーだ。あいつらを全員殺せば、復讐をやり遂げれば、汚い自分は消えるんじゃないか」
そう思っている。
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黒羽ひみと(プロフ) - 翠河瑠音@円周松girlさん» いえいえ!最後まで読んで下さりありがとうございます! (2018年4月21日 8時) (レス) id: 396f182ce5 (このIDを非表示/違反報告)
翠河瑠音@円周松girl - 黒羽ひみとさん» 最終回凄い良かったです!!作者様、素敵な作品をありがとうございます!! (2018年4月21日 2時) (レス) id: cb016b237c (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - 蒼桜さん» 続き更新します! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 396f182ce5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜(プロフ) - 続きがとても気になります!頑張ってください! (2018年3月27日 15時) (レス) id: b570da4317 (このIDを非表示/違反報告)
13(ひみ)(プロフ) - 榊ノ宮赫夜さん» わぁ、コメントありがとうございます!ゆっくりですが、頑張って更新していきます! (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3cf9f60de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13(ひみ) | 作成日時:2017年11月14日 12時