【おそ松さん】銃とナイフとお兄さん２

第五十六話「立ち位置」 ページ7

トド松と一緒に廊下を走る。

チョロ松たちがいつ来るかも分からない。


にしても……


「トド松、ここってこんな広かったっけ」

「ううん、たぶん侵入システムが作動してるんだと思う。だからまず、それを解除しなくちゃいけないんだけど…」


なるほど。

この基地にはカラクリがあるのか。

私が出ていけないって言ったのはこれがあるからかな。


「解除するための機械は一松兄さんが持ってる」

「じゃあ、一松を探して……」

「探さなくていいよ、ここにいるし」


後ろから声。

全然気が付かなかった。


「でも、解除は出来ないよ。その機械は壊したからね。この迷路、出る方法が全く無いわけじゃないから、頑張って出口探しなよ」

「一松兄さん、どういうつもり」

「……分かんないんだよね…何を取れば良いのか。十四松はAを殺したがってる。トド松はAを助けたい」


一松の表情から伺える感情は悲しみ。


「だから、賭ける事にした。Aが逃げるのが先か、殺されるのが先か」


銃口を向ける私たちに対して、一松は逃げも隠れもしない。

服の中に隠した銃に触れることもない。


敵ではないのは確かだ。


「一松兄さんは、どう行けば出口にたどり着くか知ってるの？」

「……さぁね。この仕掛け考えたのおそ松兄さんだから」


でも、味方をするわけでもない。

立ち位置を見失っている。

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